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＊＊＊
───疲れた･･･。
とは言っても、私はほとんど何もしてないけど。
現場のちょっとした手伝いと、実際に撮影した物がイメージ通りかを監督と一緒にチェックするくらいだった。
正直、私がここにいる必要はあったのだろうかという疑問も浮かびはしたが、まさかMV撮影の発注をかけたレコード会社の人間が不在な訳にもいかないか、と考え直る。
『よっこらせ･･･』
そして、控え室がわりにしている部屋のソファに深く座って、私は深呼吸と共に目をつむった。
先程すべての撮影が終わり、今は機材の片付け作業に入ったところだ。
時刻は既に夜の7時半を回っていた。
撤収作業が済んだら、ここからホテルに移動し、明日の午前の飛行機で東京に戻る予定だ。
移動になるまで、少し仮眠しようかな───。
呼吸が段々と深くなり、眠りに落ちていくのがわかる。
隣の部屋から、メンバーの楽しそうな声が漏れ聞こえた。
そして、その声は少しずつ遠のいていき、やがて無音の世界へと誘われる。
はぁ･･･睡眠最高･･････！
──────暖かい。
それに、くすぐったい。
眠りのふわふわとした感覚の中、前髪を誰かに撫でられている気がした。
温かい指先が、何度か私の額を掠めていく。
いったい、誰───？
しかし、重く閉ざした目蓋は持ち上げられなくて、その間にも、また眠りの波が私を呑み込んでいく。
───チュ。
そして最後に、額への柔らかな感触と、リップ音を残していった。
これは、夢？
｢───あ、ゴメン。起こしてもうた？｣
ガサゴソという物音に反応し、私は目を開けた。
するとそこには安田の姿があり、自分の荷物をいじっている。
『いえ、ただの仮眠だったので大丈夫です。むしろ起こしてもらって良かったです』
腕時計を確認すると、あれから30分程度経っていた。
ここで目を開けなかったら、明日の朝までここで寝ていたかもしれない。
私はあくびを噛み殺し、グウッと伸びをする。
そして、いつの間にか私に掛けられていたブランケットの存在に気付いた。
もしかして、安田が掛けてくれたのだろうか？
『ありがとうございます』
｢ん？んー、大丈夫やで｣
安田が一瞬、首を傾げるような動きをしたが、すぐに穏やかな笑みを浮かべた。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
