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思いもよらぬ遭遇に驚きつつも、私はすぐに辺りを警戒して、大倉から少し距離を取った。
大倉もそれを察したのか、私と横並びになり、商品を見ている風を装い始めた。
それから、私にだけ聞こえるボリュームで話しかけてくる。
｢今日は仕事休みなんやね？｣
『私だって毎週休日出勤してるわけじゃないですよ』
｢まぁ、そらそうやな。普通に買い物？｣
『はい。イヤホンが壊れてしまったので、新しいのを買いに。大倉さんは？』
｢実は俺も新しいヘッドホン買いに来てん｣
『え、大倉さんも壊れちゃったんですか？』
｢ううん。新しいのが欲しかっただけ｣
そう言って大倉は、チラリと私にヘッドホンを見せてきた。
パッケージに貼られている値段に目をやると、35,700円と書かれている。
『へえ』
さすが、お金を持っている人は違うな。
財力の差を見せつけられ、私はそっと自分のイヤホンを大倉から隠した。
すると一瞬の沈黙の後に、大倉がどこか気まずそうに口を開いた。
｢───Aちゃんさぁ、元気？｣
『･･････ん？』
暫く考えてみるものの、その質問の意図がわからず、私は大倉の表情を伺った。
｢時間ある？ちょっとお茶せえへん？｣
形の整った大倉の目と、視線がぶつかる。
『大倉さん･･････ナンパ下手くそですね』
｢ナンパちゃうわ｣
ピシャリとそう言い返されると、手元のイヤホンが奪われた。
｢会計してくるから、ちょっと待っとって｣
『え！？ちょ、お金払います！』
｢いらん｣
そして、バッグから財布を出そうとしている間にも、大倉はとっととレジまで行ってしまった。
───さすが、お金を持っている人は違うな。
あれから私達は場所を移し、近くのカフェに入った。
その店は、新宿の街中にあるとは思えない程落ち着いた雰囲気で、黄色の裸電球が店内を照らすクラシカルなカフェだった。
『───で、どのようなご用件でしょうか？』
カップの中のミルクティーをクルクルとかき回しながら、１つ分席を空けて座る大倉へ声をかける。
｢んー、いや、最近マルとAちゃんは仲良くやってるんかな〜って気になって｣
随分と単刀直入な質問だ。
隣をチラリと見ると、大倉は前を見据えたまま、ホットコーヒーを啜っていた。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
