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『あの、もしかしてお二人は横山さんと渋谷さんですか？ほら、栄斗大学の』
彼女の言葉に男達の顔が強張る。
どうやら、Aさんがズバリ言い当てたようだ。
「ええ、まあ･･･」
どこかバツが悪そうな表情を浮かべながら、"ヨコ"が曖昧に頷いた。
しかし、一方のAさんは更に嬉々として言葉を続ける。
『やっぱり！実は私も栄斗大だったんです。あ、もちろん下の学年ですけど、すごくカッコいい先輩がいるって、お二人とも学内じゃ有名でしたから･･･！』
すみません、突然こんな事言われたらビックリしますよね。と、言葉を続け苦笑を滲ませたAさん。
なるほど。見た事があるって、そういう事だったのか。
物影からふむふむと頷いていると、更にAさんの声が続く。
『あ、と言う事は───店長って私の先輩だったんですね！』
「せやで。お前もっと俺を敬え？」
Aさんの言葉に、村上君が腕を組んで偉そうにふんぞり返る。
確かに。あの男2人が彼女の大学の先輩であるという事は、その2人と同級生である村上君もまた、Aさんの先輩であるという事だ。
「世間て狭いもんやな･･･」
奇跡のような偶然を目の当たりにし、俺の口からついそんな言葉がもれる。
しかし、再び向けた視線の先は、予想外にも不穏な空気が立ち込めていた。
「───なんなん？この茶番･･･」
そう低い声で言ったのは"ヨコ"だった。
その顔は苦々しく歪められ、悲しみとも怒りとも取れる表情だ。
「アンタ、よくそんなヘラヘラとしてここにおれるな」
『え、あの･･･』
「おい、ヨコ」
隣の"すばる"がたしなめるように"ヨコ"の腕を掴むが、それでも男の興奮が収まる様子はない。
むしろ眉間の皺は更に深くなるばかりで、状況を飲み込めないでいるAさんは、怯えた様子で男を見る事しかできないようだった。
俺はそっと立ち上がると、警戒を強めたまま売場を見つめる。
そして"ヨコ"が村上君を指差すと、抑えられない感情と共に言葉を吐き出す。
「こいつが今までどんな思いで･･････アンタがこの店におる資格なんてない！ヒナの前からはよ消えてくれ･･･！」
「ヨコ！」
そこで声を荒げ止めに入ったのは、紛れもない村上君だった。
「ええ加減にせえよ？いくらお前でも、言ってええ事と悪い事があるぞ」
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
