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「フッ･･･子供か！」
思考が表情に出てしまったのか、店長からハヤブサのような速さのツッコミが飛んでくる。
すぐ隣を見上げれば、普段はあんなにパッチリとした目を糸のように細め、その八重歯を覗かせながら笑っていた。
どうやら、私はこの笑顔に弱いらしい。
怒っているぞと、眉根をひそめるのもできなくなって、私もつられて笑ってしまった。
＊＊＊
何発目かの花火が上がる頃、会場付近は先程よりもさらに多くの見物客で溢れかえっていた。
星を散りばめたようなビル群の窓の明かりを背景に、色とりどりの花火が打ち上げられていく。
街のど真ん中に大輪が上がる度に、周りからは歓声と感嘆の声が上がっていた。
そして、皆夜空の花火に気を取られ、人々の前へ進む速さも一段と落ちていき、すっかり大渋滞に巻き込まれる。
『進まなくなりましたね』
「もうこの辺でええか」
店長はそう溜息混じりに言って、道の端へと身を寄せた。
これ以上は花火に近付くのを諦めたらしい。
「すまん、見えるか？」
『一応、どうにか人の間から見えます』
「まあ、俺もあんま背ぇ高い方ちゃうからあれやけど」
2人で微妙に左右に揺れながら、どうにか納得できるポジションを探す。
そして、なんとなく定位置を見つけた所で、ふと隣の店長を横目に盗み見た。
正面の花火を眺めながら、穏やかな眼差しと共に口角が僅かに上がっている。
少しは、私とのお祭りを楽しいと思ってくれてるだろうか？
そうだったらいいな。
「なんや」
『あっ･･･！』
そんな思いに浸りながらジッと彼へ視線を向けていたら、突然こちらを向いた店長と目が合ってしまった。
自分でも気づかない程の熱視線を送っていたのだろうか。
突如やってきた気不味さに、私は口をパクパクとさせながら言い訳を探す。
見惚れてました。なんて口が裂けても言えない･･･！
すると、店長の顔がおもむろに近づいてきて、思わず身を硬くした。
そして私と顔を並べるように正面を向くと、またすぐに離れていく。
いったい何なんだ･･･！
まだおさまらない激しい鼓動に、胸の辺りの服をキュッと掴んだ時だった。
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
