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それは店長からだった。
1時間ほど前に来ていたメッセージを開くと、絵文字も顔文字もないサッパリとした文面が現れる。
"隊長どうや？店終わってからにはなるけど、なんか必要なもんあれば買っててくで？"
『隊長･･･？』
あ、体調か。
端的な文の所々に散りばめられた誤変換や衍字に、頑張ってスマホを操作する店長の姿が思い浮かんで、堪らずクスリと笑った。
それから、文字入力の画面を開いてしばし考える。
もしこれが前職の上司だったなら、お気遣いなくと丁重な断りを入れるところだが、相手は店長だ。
正直、会いたい気持ちは強い。
あの人の性格からして、建前とか社交辞令のようなまどろっこしい意味ではなく、本気で来てくれると言っているのだろうが、それでも一応は社会人としての返信文面を考えた。
それから指先で画面に触れると、いつもより丁寧な動きでフリックしていく。
送信ボタンを押した。
＊＊＊
ピンポーン───
『はーい･･･！』
部屋中に充満した緊張の空気を切り裂くように、インターホンが鳴った。
誰が来たかなんて、確かめなくても分かる。
鏡の前で部屋着と髪の毛を整えてから、私は玄関へと急いだ。
それから、小走りの勢いそのままに施錠を外し扉を開けると、それを避けるように反射神経良く後ろに仰け反った店長と対面した。
そして目が合うと、すぐに店長の表情がムッとしたものに変わる。
「アホ、いきなり開けたら危ないやろ！」
『す、すみません。当たっちゃいましたか？』
ぶつかるような衝撃も無かったし大丈夫かと思ったが、どうやら違ったらしい。
しかし慌てて頭を下げるも、何か気に食わなかったのか店長はすぐに首を振って否定した。
「ちゃうわ！誰が来たかも分からんのに、いきなりドア全開で出てくる奴があるかぁ言うてんねん」
『･･････』
あ、そっち？
『でも、状況的に店長しかいないって分かってたし･･･』
「そういうんはオートロックのマンションに住んでから言え」
じゃあ、オートロック付きマンションに住める程のお給料を出してくれるんでしょうか？
なんて、絶対に言えるはず無い。
「世の中なにが起こるか分からへんし、用心しぃや？」
店長のお説教に、私は『はい、すみません』ともう一度頭を下げる。
すると、頭にポンと優しく手をのせられた。
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
