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『･･････』
胸の辺りが甘くこそばゆい感覚に支配された。
それを彼に覚られたくなくて、私は早々にトイレへ向かう。
『───もう･･･！』
そしてトイレの扉を閉めた瞬間、堪らず不満の声がもれた。
いつもはガサツなくせに、どうして、こういうふとした時に、細やかな気遣いや優しい表情を見せてくるんだ。
ほんと、気を抜いたらあっという間に好きになってしまいそうだ･･･。
───ん？
好き？
いやいや、だから！そういうんじゃなくて･･･！
ひとり狭い個室の中で、邪念でも払うようにブンブンと頭を振る。
しかし、ふとピタリと動きを止めた。
じゃあ───どういうのなんだ？
＊＊＊
年甲斐もなく"恋"なんてものについて熟考してしまい、のぼせ上がってしまったのかもしれない。
次の日、私は熱を出してお店を休んでいた。
今朝、欠勤の連絡を店長に入れたら、「アホ、あれだけ体ちゃんと拭け言うたやろ！湯船にも浸からんかったんか！？体あっためなアカンやろ！」と、病人相手にも関わらずどやされた。
しかしそのすぐ後には、病院行ったんか？ご飯食べれんのか？薬は飲んだんか？と、まるで実母並みに心配の言葉を掛けてくれた。
厳しいけれど、そこには確かな優しさがある。
信頼できる。
安心できる。
そして、時折あの笑顔に、何も考えずに甘えたくなる。
思えば、店長には出会った当初から特別な感じがしていた。
ずっと前から知っていたような安心感があって、私はあっという間に心を開いていた気がする。
私───好き、なんだ。店長の事。
まどろみと共に毛布の中でモゾモゾと動く。
それから大の字になって伸びをすると、肺の中の空気を盛大に吐き出した。
そして顔に被っていた毛布をどけ、陽射しの眩しさに備え身構える。
ところが部屋の中は薄暗く、カーテンの隙間から漏れたオレンジ色の光が、壁に一筋のラインを描いていた。
寝ぼけた頭でゆっくりと状況を呑み込みながら、私はスマホの画面を点ける。
すると、そこに示された時刻は既に18時を迎えようとしていた。
寝すぎた･･･。
しかし、今朝目覚めた時よりも、体調は大分スッキリとしているように思う。
そして、スマホ画面の上部にLINEの通知を見つけ、私はそれをタップした。
『あ･･･』
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
