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『フッ、フフ･･･店長叫びすぎ』
「だってむっちゃビックリするもん！」
もうお化け屋敷は出たというのに、再び自然な流れで手を繋ぎ直してくれる店長。
そしてそれを内心で喜ぶ自分がいる事に気付く。
こんなに胸がドキドキするのは、まだお化け屋敷の余韻が残っているせいだろうか。
それとも───。
＊＊＊
『はい、お土産』
「え？わー、ありがとぉー」
店休日の翌日、休憩中の大倉君を見つけると、私は早速お土産で買ったクッキーを献上した。
遊園地の可愛いキャラクターが描かれた型抜きクッキーで、"人気No.1"のポップを見て即座に決めたものだ。
「そんな気遣いええのに」
『いやいや、すごく楽しかったし。そのお礼と思って？』
すると彼は、早速外装のテープを剥がして蓋を開けると、個包装されたクッキーを1枚私に差し出した。
「じゃあ、おすそ分けな？」
『え、ありがとう』
再び私の元へ返ってきたクッキーを受け取れば、彼はふわりと優しく微笑んだ。
うわぁ･･･この子、大学で相当モテるだろうな･･･。
さり気ない気遣いを目の当たりにして、私は感心すると共に色々と勘繰ってしまった。
「1日村上君のお世話したご褒美やな」
『フフ、何それ』
「だって大変やったやろ？1日中あの村上君と遊園地なんて」
ペリペリとクッキーの袋を開けながら、大倉君がクスクスと笑う。
私は彼の言葉に、当日の記憶を全てひっくり返してみるが、大変だと思う瞬間などどこにもなかった。
『別に、大変て事は無かったけど───あ、でも･･･』
「ん？なんかあったん？」
大変な事は無かったが、引っかかる事はあった。
『何と言うか、気にし過ぎなのかもしれないけど、ふと暗い表情する時があったなーって』
それは、店長と2人で土産物店を見ている時だった。
表紙に遊園地のキャラクターが描かれた日記帳が売っていたので、なんの気無しに手に取ったのだ。
実を言うと私には昔、日記を書く習慣があった。
書いていたのは大学生の頃までで、今はもうやめてしまったが、そんな懐かしい思い出に浸っていたら、隣にいた店長に無言で日記帳を奪われ、そのまま商品棚に戻されてしまったのだ。
驚いて店長の顔を見ると、どこか遠くを見るように切ない表情を浮かべていた。
そして、「たつの土産探すんやろ？」と手を引かれた時には、いつもの元気な様子に戻っていたので、事情の想像も付かない私は何も聞けず仕舞いだったのだ。
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
