■17(丸山side) ページ17
「Aちゃん？Aちゃーん、ここで寝たらアカンよー」
『･･････はぃ･･･』
「･･････」
半ば寝言のような彼女の返事は、この世で最も信頼度の低いものだった。
「───だから無理せんでええって言ったのにな」
そう呟いてテーブルの上の空のグラスへ視線を移す。
どうも最後の焼酎ロックが効いたらしい。
少し目を離しているうちに、いつの間にか彼女はソファーに突っ伏して、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
「気遣いさんやと思ったら、意外と自由奔放さんやな、自分」
彼女の耳に届いていないとわかりながらも、俺はそんな言葉をこぼす。
それから同じようにソファへ突っ伏して、彼女の寝顔を見つめた。
初めて見る無防備であどけない彼女の姿に、自然と笑みが浮かんでしまった。
「普通は男の前でそんな簡単に眠りこけたらアカンねんで？」
それとも、単に男として認識されていないだけなんだろうか。
少なからず、こうして穏やかな寝姿を晒してくれる程度には、俺の事を信用してくれているのだろうが、嬉しいような残念なような、なんとも複雑な気持ちになった事は間違いない。
「ふぁ〜あ･･･」
アカンな。人の寝顔見とったら、こっちまで眠たなってきた･･･。
「Aちゃん、起きて？」
だが、このままでは二人してここで寝落ちしてしまいそうだ。
『･･･ん』
華奢なその肩をポンポンと叩いてみるも、変わらず彼女の目が開く事はなかった。
仕方なく、今度は大きく肩を揺らしてみる。
「Aちゃーん、寝たら死ぬで〜」
すると、彼女の目が薄っすらと開いた。
今度こそ起きたのだろうか。
まだはっきりと意識が覚醒していないのか、ぼーっとしたままの視線でキョロキョロと目の前を確認している。
そして、俺と目が合った。
「Aちゃん───」
そう呼び掛けた時だった。
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匿名希望 - 更新ありがとうございます！めちゃくちゃ好きです！ (2022年10月11日 1時) (
レス) @page27 id: cc9a8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 更新ありがとうございます！続きがたのしみです◎ (2022年4月5日 4時) (レス) @page4 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年4月3日 17時
