＊50(丸山side) ページ50
チクチクとした甘く切ない胸の痛みに、表情が歪む。
そして、見上げた大倉の表情も、切なそうに歪められていた。
｢俺らも、大事やねん───｣
何で、お前までそんな顔すんねん･･･。
｢Aちゃんの事は、仕事仲間としてほんまに信頼しとる。そう思ってんのは、俺だけじゃない。みんなそうや。だから、俺らからあの子を奪わんといて･･･｣
すがるような、しかし意思の強い目をした大倉を前に、俺は何も言えなくなった。
メンバーは大事だ。
でも、彼女と天秤に掛けることもできない。
いや、掛けたくないだけなのだろう。
きっと、俺の答えは決まっているから───。
｢俺も、大事や。メンバーの事も、Aちゃんの事も｣
｢それは･･･｣
｢それは、仕事仲間としてや。もちろん｣
大倉の言葉に塗りつぶすように被せて、俺はさらに続ける。
｢当たり前やん。そりゃ、Aちゃんの事は好きやけど、そこに恋愛的なもんなんかあらへんよ｣
妹みたいな感じやで！
アイドル誌でやるような笑顔で、そう言い切った。
喋れば喋るほど、嘘で心を食い潰されそうだった。
痛い───。
｢な〜んや。ごめん丸ちゃん、俺の勘違いやったわ！｣
｢せやで！いきなり何の話かと思ったわ〜｣
ははは！と、いつものように豪快に笑う大倉を見て、少しほっとした。
｢じゃぁ俺行くわ。コーヒーごちそうさん｣
コーヒを顔の横で小さく振って礼を言うと、大倉は去っていった。
俺も努めて明るい表情を作って、その背中に手を振って見送る。
｢───ほんま、どうすんねん･･･｣
いっそ、この気持ちを殺せたらいいのに。
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めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 設定ができたようで安心しました！ご不便をおかけしてすみません。これからも作品を楽しんで頂ければ幸いです！ (2019年5月30日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - お返事ありがとうございます！何回かしてやっと設定できました！こちらこそ丁寧にありがとうございます。凄く面白くて一気に読んでしまいました♪ (2019年5月30日 18時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 初めまして。ご指摘ありがとうございます。[最初から読む]のボタンの上に｢苗字、あだ名の設定が可能(設定する)｣という所がありますので、そちらから再度設定してみて頂けますでしょうか？分かりづらく申し訳ございません。 (2019年5月29日 16時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 初めましてあだ名を設定してもちゃんのみの表示なのは仕様ですか？ (2019年5月29日 13時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年3月21日 21時
