＊49(丸山side) ページ49
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イライラする。
打ち合わせが終わり、１階の自販機でコーヒーを買おうとしたら、"売切"の２文字がボタンに表示されていた。
微糖やミルクの入ったものもあったが、今はどうしてもブラックが飲みたい気分だった。
買えないのは百も承知だったが、俺はヤケクソ気味に売切のボタンを連打する。
そして、大きな溜め息ひとつついたところで、隣の微糖を渋々と押すのだった。
ガコン、と派手な音と共に落ちてきたコーヒーを取り出して、一口煽る。
生易しいようなほのかな甘さが、やはりスッキリとしない。
そして、口の中に残る微かな甘さに顔を歪めていると、ぬっと横から誰かの手が伸びてきて、コーヒーのボタンを押した。
｢おごってや｣
聞きなれた低い声。
振り向くと、すぐそこに大倉が立っていた。
俺は苦笑して、ポケットから小銭を数枚取り出す。
｢ありがとお｣
落とされたコーヒーの缶を取り出し、大倉も一口煽る。
そして、暫くの沈黙の後に、大倉が静かに口を開いた。
｢───さっき、めっちゃ不細工な顔しとったで｣
｢って、いきなり言う言葉がそれか･･･！｣
いつもの弄りだった。
俺は慣れないツッコミを全力で返したが、大倉の冷静な表情に不穏な物を察知し、すぐに押し黙った。
ただの弄りではなかったようだ。
｢Aちゃんと何かあったん？｣
｢へ？｣
いきなり確信を突かれ、自分の口元が不器用にひきつる。
｢今日、ちょっと様子が変やったから｣
｢何なん急に？ 何もあらへんよ？｣
｢ヤスにさ、｣
大倉の真っ直ぐな視線に射ぬかれ、思わずごくりと生唾を飲んだ。
｢嫉妬してたやろ？｣
どうしてこの男は、そうやって鋭く見抜いてくるのだろうか。
｢恋愛は自由やけど、あの子はやめた方がええで｣
｢いや、ちゃうし･･･｣
｢もしバレたら、どっちが処分下されるかわかるやろ？｣
｢だから、違うって言うてるやん･･･！｣
遠慮なしに心を抉られるようで、俺はつい大きな声を上げて大倉の言葉を遮っていた。
───そんなん、俺かてわかってるよ。
きっと、彼女を傷つけることの方が多いだろうって。
それでも、それでも･･･───。
好きやねん。
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めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 設定ができたようで安心しました！ご不便をおかけしてすみません。これからも作品を楽しんで頂ければ幸いです！ (2019年5月30日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - お返事ありがとうございます！何回かしてやっと設定できました！こちらこそ丁寧にありがとうございます。凄く面白くて一気に読んでしまいました♪ (2019年5月30日 18時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 初めまして。ご指摘ありがとうございます。[最初から読む]のボタンの上に｢苗字、あだ名の設定が可能(設定する)｣という所がありますので、そちらから再度設定してみて頂けますでしょうか？分かりづらく申し訳ございません。 (2019年5月29日 16時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 初めましてあだ名を設定してもちゃんのみの表示なのは仕様ですか？ (2019年5月29日 13時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年3月21日 21時
