＊41(丸山side) ページ41
ただ、恋愛という点においては、誰よりも不自由だろう。
人に平等に与えられているはずの権利が、俺達には無いに等しいのだ。
別にうちの事務所は恋愛禁止を掲げているわけでもないが、それでも二の足を踏んでしまうのも事実。
自分の選択を受け入れて応援してくれるファンも居れば、拒絶してしまうファンも当然居るだろ。
多分、ここまで支えてきてくれた人達を裏切るようで怖いのだ。
｢───どないすんねん･･･｣
溜め息混じりに呟く。
カーテンの隙間から、ぼんやりと霞んだ満月が覗いていた。
＊＊＊
5月も終わる頃、今年のお盆休みはこの辺りで連休になるんかな、なんて自分には微塵も関係のない暦の数字を眺めながら、ぼんやりとエレベーターを待っていた。
スマホの中のカレンダーをペラペラと捲りながら、今後の大まかなスケジュールを確認する。
夏のライブまであと2ヵ月。
セットリストも決まり、衣装合わせも始まった。
あとは振り付けを覚えて、グッズの案も出して、通しのリハをして、その間にも新しいシングルが出て、きっと2ヵ月なんて一瞬のうちに過ぎてしまうだろう。
目まぐるしい予定に圧倒されつつも、どこかワクワクもしていた。
スマホの右上に小さく表示された時刻を確認すると、開始予定の30分前だった。
｢ちょっと早く着いてもうたかな･･･｣
ここまで送ってくれたマネージャーは、俺を降ろすと、すぐに生番組終わりの横山君を拾いに行ってしまった。
まあ、こればかりは仕方ない。
それに、またこの前のように、あの子と二人の時間を過ごせるかもしれない。
ポーンという軽快な音を鳴らして、目の前の扉が開く。
淡い期待を寄せて、俺はエレベーターに乗り込んだ。
会議室の前まで辿り着くと、物凄い速さのタイピング音が中から聞こえた。
これは、間違いなく彼女のものだろう。
相変わらず仕事に追われているようだ。今日はちゃんと昼食を摂れただろうか。
失笑に近い笑みをひとつこぼして、俺はドアノブに手を掛けた。
しかし、ふと聞こえた男の声にピタリと動きを止める。
(───でも、Aちゃんには一度ウチに来てほしかってんなぁ)
ヤスの声？
よく知るその声に、俺は息をするのも忘れて、じっと聞き耳を立てる。
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めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 設定ができたようで安心しました！ご不便をおかけしてすみません。これからも作品を楽しんで頂ければ幸いです！ (2019年5月30日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - お返事ありがとうございます！何回かしてやっと設定できました！こちらこそ丁寧にありがとうございます。凄く面白くて一気に読んでしまいました♪ (2019年5月30日 18時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 初めまして。ご指摘ありがとうございます。[最初から読む]のボタンの上に｢苗字、あだ名の設定が可能(設定する)｣という所がありますので、そちらから再度設定してみて頂けますでしょうか？分かりづらく申し訳ございません。 (2019年5月29日 16時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 初めましてあだ名を設定してもちゃんのみの表示なのは仕様ですか？ (2019年5月29日 13時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年3月21日 21時
