＊23(丸山side) ページ23
＊＊＊
今の自分は、すこぶる機嫌が良かった。
19時頃に仕事が終わり、西麻布の豚カツ屋に訪れ、こうしてカウンター席からころもの揚がる音を堪能している。
店内もそれほど混んでいないし、これならゆっくりと食事ができそうだ。
先に出してもらった千切りキャベツをつつきながら、自分の豚カツが揚がるのを待った。
すると、１つ席を空けて隣に女性客がやって来た。
カウンターの上に置いていたスマホをお気持ち程度に自分側へ寄せると、｢あ、すみません｣と女性が会釈する。
そして、その聞き覚えのある声に、俺は咄嗟に隣を見た。
｢Aちゃん･･･｣
『え･･･？』
すごい偶然だ。まさかこんな所で会うなんて。
しかし、彼女は俺の姿を認めると、一瞬だけ眉間にしわを寄せた。
『ま、丸山さん･･･すごい偶然ですね』
｢ほんまやね｣
『あ、私改めます。ごゆっくりなさって下さい』
手早く荷物をまとめて立ち去ろうとする彼女を、俺は無意識に止めていた。
彼女の細い手首を掴むと、ビクリと微かに震えたのがわかった。
｢ええよ別に。一緒に食べよう？｣
『いや、でも･･･』
口ごもりながら辺りをキョロキョロとする姿は、何だか少し可愛かった。
きっと、俺が芸能人だから気にしてくれているのだろう。
｢大丈夫やで？僕、オーラ出てへんのか全然気付かれへんねん｣
彼女を刺激しないように、努めて優しい笑顔を作る。
『･･･では、失礼します』
｢おん！どうぞ〜｣
俺は隣の椅子をポンポンと叩いて勧めた。だが、結局彼女は１つ分の席を空けて座った。
おまけに、あまり目も合わせてくれない。
ほんまにガード堅いな･･･。
それに、さっき手首を掴んだときの反応も、いまいち良くなかった。
もしかして俺、この子に嫌われてんねやろか───。
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めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 設定ができたようで安心しました！ご不便をおかけしてすみません。これからも作品を楽しんで頂ければ幸いです！ (2019年5月30日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - お返事ありがとうございます！何回かしてやっと設定できました！こちらこそ丁寧にありがとうございます。凄く面白くて一気に読んでしまいました♪ (2019年5月30日 18時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 8七色8さん» 初めまして。ご指摘ありがとうございます。[最初から読む]のボタンの上に｢苗字、あだ名の設定が可能(設定する)｣という所がありますので、そちらから再度設定してみて頂けますでしょうか？分かりづらく申し訳ございません。 (2019年5月29日 16時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
8七色8(プロフ) - 初めましてあだ名を設定してもちゃんのみの表示なのは仕様ですか？ (2019年5月29日 13時) (レス) id: 8c103056a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年3月21日 21時
