流石に一旦まずったかも。 (ページ34)

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30.伝言ページ34

t「あ、そう。僕は部活行ってないんで謝りにもう帰りますけど委員長から伝言です。」

t「約束ぐらい守れと。あとお礼しときなね。とのことです。」

『…、まぁ、連絡入れとくよ。』

お礼ってなんだ。こいつか？
目の前のぽけーっとした不破湊に対してか？

こいつに礼とか不服なんだけど。

『あ、…？』

が記憶を無理やり遡ってみれば思いついたのは
あの時最後に見えた白髪のウルフカットの男。

顔こそ見えなかったが、白髪のウルフカットのやつなんて
この学校にはいないはずだ。

m「もちさん帰ったで？どしたん？」

『…いや、なんでもない。』

藤士郎の頭をゆらりと撫でる。

髪先がほんのり白くなっているから、本当に頑張ってくれ
たんだなぁ、と嬉しく思いながらお礼の意味を再び考える。

最後にみえた、白髪のウルフカットの男。
拭えない違和感にため息をこぼした。

なにも思い出せないから。

m「ええなぁ、仲ええその子」

『はぁ？』

にっこりとわざとらしい笑みを浮かべたコイツに
はてなしか浮かぶことはなかった。

s「あ！！Aちゃん起きてるじゃん！！」

s「ふわっちさぁ！起きたら私呼んでって言ったじゃん！」

良いタイミングでガラリと開いた扉からすこやちゃんがくる。

m「あー、ごめんやん？」

『すこやちゃん、大丈夫だった？』

s「うーん、まぁ？腕六針ぐらい縫ったけど平気よ」

『え、まじか』

すこやちゃんは回復系の能力のはず。

s「なんか、脳力波の影響で傷口が歪んでて治せなかったんだよね」

なんとも言えないわくわくしたような表情に
そういえばこういう人だったなと思い知らされる。

m「ほんまにごめんな？」

s「ま、いいよ」

能力の暴走は本人にも気付けない。
コイツはなんらかのストレスを抱えていたってことだ。

『不破湊。』

m「、ん？」

『ストレスがあるなら相談しろ。』

m「え、」

s「唐突なデレ…？」

なんとも気恥ずかしくなり布団に潜って
再び寝ることにした。