流石に一旦まずったかも。 (ページ31)

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27.一撃ページ31

『！！ｯと』

可哀想という声に反応したのか
抑える頭をふらりと上げて睨んできた。

手のひらをこちらに向ければ四方八方に糸が飛ぶ。

「なんでなん…？」

あり得ない、とでも言いたげな表情で魔法陣を私の足元になんどもなんども召喚して霧が発生する。

蜘蛛の毒を混ぜた毒霧なのだろう。
ちり、と一瞬痛みが走った。

攻撃は止まることなく糸は飛んでくる。

『首ばっかかよ…』

女だからか、はたまたコイツの癖か一発で仕留めようとしてくる。

時間が足りたなかったなんて、言わせない。

能力を限界まで上げて目を閉じる。

空間認識能力をフルで操作してコア(心臓)を探す。

魔力が肉眼で見えるようになるとコア(心臓)のところが燃えて見える。

ブレたら終わり。
時間が来たら終わり。
能力波が切れたら終わり。

迫り来る終わりに背筋がぞくり、と震える。
あぁコアを”狙え”

不破の動きを止めろ。
糸が頬を擦り血が出る。霧がふれちりちりと痛み出す。

燃やせ、燃やせ。全ての糸を燃やせ。