流石に一旦まずったかも。 (ページ30)

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26.呪い　※虫表現ありページ30

道を走りつつ増え続ける霧を払う。

不破湊とかいうやつの能力は霧による精神の支配や魅了と
何かもう一つ攻撃系の能力らしい。

色々な音や笑い声、叫び声が混ざり景の声が聞こえない。
霧は思ったよりも厄介らしい。

恐怖による支配は1番タチが悪いのだ。

WA2000はあくまで狙撃銃なので宙を浮かぶことしかできない。“今回は”殺せないのだ。

『！！』

もう片方の能力はどうやら蜘蛛らしい。
かさかさと空間を駆けずり回っている。

そしてまぁ、そこそこ悪いお知らせだが景が消えた。
霧が無理やり突き放したらしい。

景と藤士郎のおかげで成り立っていた道も消え失せた。
…自力で探すしかない。

『異常能力波を探せ。』

が得意分野だ。

能力の波は感情に左右されやすい。
だから直ぐにわかる。

WA2000を加速させる。
中央部はどうせ、保健室。

手を振って詠唱する。

能力“greedy(強欲)”

好意や憎悪全ての感情を力に変える能力。
器がデカければデカいほど、より多くの力が入る。

『あー、きっつ。』

能力の暴走を止める方法は全部で３つ。

１つ、殺めること。

２つ、能力に干渉し能力自体を消すこと。

3つ、より強い能力でねじ伏せること。

二つめは干渉した相手を殺しかねないし、した方も暴走する可能性がある。

まぁ、必然的に３つ目になる。

生憎ここには養分(Sクラス)がたっぷりあるもんで。

さて、最悪な始業式を終わらせようや。

保健室の扉を蹴り飛ばして霧を燃やす。

中に見えたのは下半身が女郎蜘蛛のような形になり
頭を押さえて唸る不破湊の姿だった。

『可哀想。』