流石に一旦まずったかも。 (ページ19)

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15.なーんちゃってページ19

ぞわり、と背筋が震えるほどの感情の波
Eクラスの怯えた感情、コイツのイラつき

パキパキと言わせながら机が凍っていく

あーあ、本当に私の能力知らないんだ。
上がりそうになる口角を手で隠して

もう片方の手をかざし杖を出す。

机にコンと杖を当てれば

バキバキバキッと氷に切れ目が走り破れていく

ビキッと氷の根源付近の机にヒビが入る音が聞こえ
机が裂けて中の教材が見える

「、…強いんですね。」

トッ、と後ろに下がるコイツ

左手を振るい分厚い氷の壁を私との間に作る

『思ってもないくせに？』

「なんなんですか、本当に」

『八つ当たり？』

「…最悪」

『アンタんとこの明那に連絡先ばら撒かれるし、ストーカーどもとの鬼ごっこやらだるくてしょうがないんだわ』

『わんちゃん君殴ったら終わらないかな〜みたいな』

「頭悪いんじゃないの」

『あは、よく言われる』

くんっと力の供給が下がる
戦意喪失でもしたか

杖を振って魔法陣を出して頭を狙う

『ばーん、』

「ｯ、」

氷の壁を2枚自分の前に建てる
が魔法陣から出たのは小さな炎だった

『なーんちゃって』

「は…？」

氷はさらりと溶けていって
炎も蝋燭に灯っていた火のように消えていった。

『私別に君を殺したいわけでも、力が認められたいわけでもないし。変に興味を持たれても困る。』

「…気づいてんの」

窓枠の縁にいる小さなパール色の蝶。

『あんな力の塊に気づかないわけなくない？』

『きっしょ』

どうせ、あの性悪腹黒生徒会長とかだろ。
アイツ嫌いなんだよな。入学時お世話になったけど。

窓枠にいる蝶に中指を立てる

『縛られんのも感情で操作されんのもうんざりだっての』

けっ、と吐き捨てればガラリと扉が開く。
扉を見れば元クラスメイトの星川サラがいた。