誰の子だって愛しい子 (ページ49)

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Part20 ページ49

最近、ユキの様子がおかしい。

運動会から少し経ってからだろうか、

あんなに好きだと言っていた、ハルと近寄りたがらない。

それに、食欲や元気が無い様だ。

何かあったのだろうか、私はそんな事を考えながら元気づけのためにケーキを焼いていて、キッチンに居た。

その時の出来事だった…。

ﾊﾞﾁﾝｯ!!

乾いた音がして、その後にハルの泣き声が響いた。

『え、！大丈夫!?』

ハル｢うえぇぇぇぇん…！！！｣

私はハルの様子を見に行くと、その場にはユキが居た。

『よしよし、ハルどうしたのー？』

ハルの頬は赤くなっている。

『ユキ？何かあったの？』

ユキ｢……ハルだもん、｣

『え？』

ユキ｢ハルがパパに似てるからだもん！！！｣

ユキはそう言い放つと、自分の部屋に駆け込んでしまった。

『ユキっ…』

私は今は放っておいたほうがいいと判断して、ハルを抱っこした。

ハル｢ひぐっえぐっ……いたい……｣

『痛いねぇ…冷やさないと腫れちゃうね…』

ユキに何があったのか、ハルが言い放った言葉が私の頭から離れなかった。

《夜》

あの後、ユキは何度呼びかけても、誰が呼びかけても、

部屋から出てこなかった。

シル｢…俺でもダメだ。｣

『…そっか、ありがとう。』

リリ｢腹は空いてると思うんじゃがなぁ…｣

テーブルの上には、ユキの分の冷えた夜ご飯がぽつんと置いてある。

積み木でキャッキャッ遊ぶハルの頬は赤く腫れていて、

どれ程強く叩いたのかが分かって痛々しい。

ユキが何を思って、これ程までの力で叩いたのか…

私には、とても分からなかった。