誰の子だって愛しい子 (ページ27)

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Part25 ページ27

ユキ「ママ～！チキン取って？」

『はいどうぞ。』

今は念願のクリスマスパーティ。
6人でとても楽しい時をすごしています。

セベ「A様！！このチキンとても美味しいです！(涙)」

セベクは滝のように涙を流しながらチキンを食べている。
本当にこの子は変わり者だな。

『美味しいなら良かった。沢山食べてね。』

ユキ「ねぇ！マレウス！
僕ね、このシチュー混ぜたんだよ！」

マレ「そうか。よく出来ている。
少しお兄さんになったな。」

マレウスはそう言ってユキの頭を撫でた。
ユキも嬉しそうにその手を受け入れている。

本当の親子みたいだな…

そして、あっという間にご馳走が無くなり、
ケーキもぺろりと平らげた。

皆んな、食後のゆったりタイムを過ごしている。

でも、ユキだけは落ち着きが無い。

『ユキ？どうしたの？』

ユキ「サンタさん来なかったらどうしよう…」

『え？』

ユキ「僕、知らない所で悪いことしてたらどうしよう…」

ユキは相当不安な様で肩が震え、
丸みを帯びた可愛らしい瞳からは涙が零れそうだった。

後ろを振り向くと、ソファーに座るマレウスと目が合った。
マレウスは首を縦に振る。言っていいよ、と言う合図だ。

『あのね、ユキ。
実はね、今年サンタさん忙しいんだって。
だからね、サンタさんでは無いんだけど、
ママからプレゼントがあるの。』

ユキ「何？」

『あのね、マレウスがユキのパパになるって言うのはどうかな？』

私がそう言うと、ユキの顔がパァっと明るくなる。

ユキ「ほんと！？」

ユキはマレウスと私の顔を交互に見た。

マレ「僕じゃ不満か？」

ユキ「ううん！すっごく嬉しい！！」

ユキはマレウスの胸に飛び込んだ。
マレウスも勢いよく飛び込んだユキを抱きとめた。
ユキのしっぽは千切れそうなほど横に揺れている

ユキ「パパだ！！僕のパパ！！
マレウスがパパだなんて凄い！！」

ユキはマレウスの胸にぐりぐりと頭を押し付けている。
あれはユキの撫でての合図だ。
マレウスもそれを知っているから優しく撫でた。

ユキ「パパ！」

マレ「!?くく、どうかしたか？」

ユキ「ママ！」

『ふふ、なぁに？』

ユキ「大好き！！」

「『僕もだ/私もだよ』」

端で見ていた、3人も幸せそうな笑顔を見せている。
他の家族より形が歪でもこれが私達、家族の形。
私達の普通である、この形を大切にしていきたいな。