誰の子だって愛しい子 (ページ22)

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Part20 ページ22

そして時は過ぎ、街並みはクリスマス1色である。
そう、明後日は待ちに待ったクリスマス。

私達が暮らす一軒家にも立派なクリスマスツリーを飾った。
卓上サイズしか見たこと無かったユキはしっぽを振り、瞳を輝かせ、一緒に飾りつけをした。

”サンタさんにも準備が有るだろうから”と、ユキは早めに靴下に手紙を入れていて、それをこっそり見ると、
「パパをください。」とシルバーの字で書いてある。

ユキを見て、浮かれてるななんて思ったけど浮かれているのは私の方だ。
最近、マレウスが指輪のサイズを聞いてきたり、デート場所がいつもより豪華だったりで、私もうずうずしている。
もしかして…プロポーズ？いやいや！
違ったらガッカリするし、期待はしないでおこう。

…そんな事を思っていたのに、マレウスの言動一つ一つに
期待している。
本当、クリスマスだからって浮かれすぎだな…
リリアに気づかれたりしたら笑われるだろう。

リリ「マレウスのやつ、もうそろそろプロポーズするじゃろうな。」

『ちょっ！？』

上からいきなり現れたリリアはそう言った。

リリ「気付かぬか？あれほど、緊張しているマレウスは初めて見たのぅ。」

『いや、私も気づいてるよ？
……でも、勘違いだった時、ガッカリするし、』

リリ「勘違いじゃ無かろう。」

『それは分からないじゃん！』

リリ「ふむ、くく、アオハルじゃのぅ～(笑)」

リリアは何かを察した顔でニヤニヤしている。
非常に気味が悪い。
その時、とてとてと可愛い足音で近づいてきた。

ユキ「ママ～！サンタさん来るかな？」

『ぁ、あ～！来るといいね～…！(笑)』

ユキ「うん！そうだね～！」

ユキはそれだけ言って去っていった。

『とにかく！リリアは冷やかさないで！』

リリ「分かっておる。若造の恋路を邪魔する程、わしも悪魔じゃあるまい。」

『はぁ～…信用出来ないなぁ～…』

リリ「先程から所々失礼な奴じゃな。
当日は愛息子を預かってやると言っておるのに。」

『それは感謝してるけど！！
リリア、何度私達のデートに乱入してきた！？』

リリ「たったの10回じゃ。」

『たったのって…』

リリ「毎日デートしておるなら良かろう。
少しくらい、わしも混ぜてくれて欲しいだけなんじゃがなぁ…しくしく」

でた、リリアの嘘泣き。

ユキ「リリア大丈夫？」

心配そうなユキの声。
この子、どこまでいい子なんだか…

『ほら、ユキ寝るよ～！』

明日は待ちに待ったデートです。