誰の子だって愛しい子 (ページ21)

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part19 ページ21

瞳を開くと、あの日と同じ様な光景。
でも、不思議と怖くはなかった。
だって、相手はマレウスだから。

未だに横で寝ている彼は5本の指に入る魔法士とは
到底思えない程、安心しきった顔をしていた。
その寝顔の愛おしさに私はふっと笑った。

マレ「ん、A、起きていたのか。」

『うん。早いからまだ寝てていいのに。』

マレ「否、僕はAと話していたい。身体は大丈夫か。」

『あんなので壊れる程、やわな身体じゃないよ(笑)』

マレ「それもそうか。」

『あの、さ、私達って恋仲になったって事で良いんだよね、？だって好き同士だもんね。』

マレ「僕はそうだと思っているが？」

『そっか、良かった(笑)』

マレウスと恋仲…実感が湧かない…でも、嬉しいな。
今すぐ、全世界の人にこの事を知らせたいくらい嬉しい。
でも、そんな事出来ないから我慢我慢。

その後、私達が恋仲になったことはリリア、シルバー、セベクに知らせた。
リリアは私達が両思いだった事に気づいていたようだったが、3人とも自分の事の様に喜び、セベクなんか滝の様に涙を流していた。

だが、私はユキにはまだこの事言っていない。
何故かと言うと、マレウスとのこの関係が上手く行けば、
結婚まで辿り着ける。
結婚すると言う事はマレウスはユキが望むパパになるのだ。
だから、私はサプライズを計画している。

まぁ、マレウスは今からユキのパパになる気満々だけど…(笑)

そして、マレウスは毎日の様に城をすっぽかして
私をデートに誘いに来た。

私と2人の時もあれば、ユキと3人の時もある。
氷菓が有名なお店、美味しいクッキーのお店、そして、
何時かユキに見せたいと思っていた花畑にも行った。
遊園地にも水族館にもブティックにも行った。

この幸せを分かち合うのがマレウスで本当に良かった。