誰の子だって愛しい子 (ページ11)

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Part9 ページ11

「Aちゃん、今日のサーモンは安いぜぇ～
買ってくかい？」

「Aちゃん！じゃがいも買ってく？
ユキくん好きでしょ？」

『ごめんなさい！ユキを迎えに行かなきゃ！』

私とユキはすっかりこの街に馴染んで
可愛がってもらっている。
お野菜やお魚、お肉を安く売ってもらったり、
ユキにお菓子をくれたり。
本当にありがたいとしか言えない。

『ユキ！お迎え遅れてごめんね～…！』

保育士「あ！ユキくんのお母さん！
ユキくーん！お母さん来たよ～！」

ユキ「ママ～！！」ｷﾞｭｯ

『ふふっおかえり。』

ユキ「ただいま！！」

ユキは4歳になった。
しっかり言葉も喋れるようになって甘えん坊な男の子に育った。
私は流石に持ってきたマドルだけじゃ足りなくて仕事を始めた。
ケーキ屋さんの仕事で特技が生かせていると我ながら思う。

約5年前、茨の谷から飛び出してきてから
マレウスや皆んなに会っていない。
皆んなもう私の事なんか忘れているかな、
それとも、まだ探してくれているのかな…

『ねぇ、ユキ。今日の夜ご飯さ、
魚屋さんのおじさんがおすすめしてくれた
サーモンにしよっか！』

ユキ「やったぁ！！！」

ユキは飛び跳ねて喜んだ。

『ユキ、サーモン好きだもんね～笑』

ユキ「うん！だぁーい好き！」

ユキ「おじさん！」

「ユキ！」

『おじさん、度々すみません、サーモンください！』

「おぉ！良いぜ！」

そう言っておじさんはお願いした量を測り、
サーモンを容器に入れた。

「はいよ！あと、ユキにはこのラムネな！」

ユキ「やったぁ！ラムネ！僕、ラムネ大好きだよ！」

「そうか！良かったなぁ！！」

『おじさん何時もすみません…笑』

「良いんだよ！黙って受け取れ！」

『ありがとうございます。じゃあユキ、行こ！』

ユキ「うん！」