297話 ページ48
「AがQタロウに…！？」
「お前さん、だったのか…！」
私の言葉に皆が目を見開き、驚きの声を上げる。
あぁ……言いたくなかったのに、な。
「それも陰キャの作戦だったニャン…？」
『…ううん。Qタロウさんを交換相手に選んだのは私……Qタロウさんなら、誰かに交換できると思った、から。』
こんなの、ただの言い訳にしか聞こえない。
結局私は自分が助かるために人を犠牲にして、それを自分のせいにしたくないがために行動した。
でも、自分が助かりたいなんて皆思ってるでしょ？
皆自分が可愛いでしょ？
……こんなだから、私は。
「A。」
『！』
Qタロウさんが、私の名前を呼んだ。
肩がビクリと震えて、恐る恐る顔を上げる。
『ぁ……』
彼に、怒ってる様子はなかった。
嫌悪でも軽蔑でもない。
「お前さんは、なんも悪いことはしとらん。」
『っ、だけど、』
「俺だってお前さんの立場ならそうするぜよ！！…ここにいる全員、その可能性があった…！」
その言葉で辺りを見渡す。
皆、私が思ってるような表情はしていなかった。
「…Aちゃん。」
『ケイジ、さん…』
「君は頭がいい。だからこそ、色々考えて溜め込みやすいんだ。」
安心させるような笑みを浮かべながら、ケイジさんは続ける。
「前も言ったでしょ？君のせいじゃない…ってさ。」
それは、一回目のメインゲームが終わった後、賢者のカードのことをケイジさんに話した時の話だろう。
「今回もそうだよ。君は何も悪くない……もう議論は、終わったも同然だ。」
『！』
穏やかなケイジさんの声から、温度が消えた。
彼の視線の先にいるのは、ソウさんだ。
ケイジさんは、ソウさんを選ぶつもりで、皆にもそう促そうとしてるんだ。
『(嫌だ…！)』
けど、カンナちゃんだって選べない。
……まだ、ナオさんが身代じゃない可能性だって……でも、そしたら結局ソウさんかカンナちゃんが身代だってことになる。
私は最低限、二人が生きてくれればそれで良くて。
だからずっと、誰かを蔑ろにする思考になっている。
それなのに、二人を助けることも出来ないの…？
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ルイ(プロフ) - なうなうみるきぃさん» いつもありがとうございます！把握です！ (2022年11月24日 20時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さとりさん» 私的には同じ日に1話ずつ投稿するという風に考えております！ (2022年11月24日 20時) (レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
なうなうみるきぃ(プロフ) - いつも作品読ませてもらってます！自分的には片方ずつ進めてほしいです。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: 11bb46ad6e (このIDを非表示/違反報告)
さとり(プロフ) - 並行というのはその日カンナちゃんを書いて次の日にソウさんを書くということでしょうか？もしそうなら私は片方ずつを希望します。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: efc4d587e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年11月9日 17時
