289話 ページ40
「決選投票に進む者は…日和颯、木津池神奈、篠木敬二、絵心菜緒…以上四名です。」
拳をぎゅっと握る。
それは白くなって、手の甲に薄く筋ができていた。
私に、票は入らなかった。
それは私が死なないということ。
それはとても嬉しいことで、希望の光で。
それでもこの結果に、私は目の前が暗くなっていくのを感じていた。
ソウさんとカンナちゃんが、選ばれている。
死の淵に立たされている。
私はそれが酷く嫌だった。
こうなることが怖かった。
この結果になることに怯えていた。
分かっている、私がこんなことを考えてもなんの意味もないことを。
本当に怖いのは二人だってことを。
でも、それでも、この恐怖を抑えられない。
そして自分への嫌悪が止められない。
やろうと思えば自分に票を向けさせることだってできたはずなんだ。
あの時…ユキのことを聞かれた時。
それでも私はそうしなかった。
二人を死なせたくないなんて、約束を守りたいなんて思っていながら心の奥底では自分が可愛かったに違いない。
死が怖くて怖くて、結局は生きたくて仕方なかったのだ。
愚かで馬鹿で役に立たない、どうしようもない私がどうして選ばれなかったの。
私が二人を助けるには、どうすれば＿＿＿＿＿＿＿＿
「＿＿＿顔を上げてください！！」
『！！』
芯の通った真っ直ぐな声が、この空間に響き渡る。
思わず反射的に彼女の言葉に従ってしまった。
「私達はいつだって、自分のやるべきことをやってきました…！！どんなに過酷でも、立ち止まっちゃいけない…！！」
『(ぁ……)』
そうだ……まだ、決まったわけじゃない。
「例え誰かが身代だとしても、進むべき方向は同じ…！会話し、議論を進めることなんだ…！！」
ここで諦めるわけには、いかない。
一人で絶望してる暇は、ない。
そんなことをするならば、考えろ。
貴方たちに、生きて欲しいから＿＿＿＿＿＿＿＿
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ルイ(プロフ) - なうなうみるきぃさん» いつもありがとうございます！把握です！ (2022年11月24日 20時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さとりさん» 私的には同じ日に1話ずつ投稿するという風に考えております！ (2022年11月24日 20時) (レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
なうなうみるきぃ(プロフ) - いつも作品読ませてもらってます！自分的には片方ずつ進めてほしいです。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: 11bb46ad6e (このIDを非表示/違反報告)
さとり(プロフ) - 並行というのはその日カンナちゃんを書いて次の日にソウさんを書くということでしょうか？もしそうなら私は片方ずつを希望します。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: efc4d587e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年11月9日 17時
