283話 ページ34
「そういえばサラ姉ちゃんの名前に気を取られてたけど…その映像の前にもう一個映像があって、それは全部見終わったあと消えたワン。」
削除された…ってこと？
一回再生されると消えるプログラムにでもなっていたのかな…….
「どういう映像だったか覚えてるか？」
「…ニャン。」
ギン君の目線が、伺うようにこちらを向いた。
『(え…？)』
「…着せ替え人形と、知らない男が喋ってたワン。」
「着せ替え人形…ノエルか？」
「そうニャン。それで…知らない男は、高校？の制服を着てて…着せ替え人形に、”ユキ”って呼ばれてたワン。そいつ、A姉ちゃんの名前を言ってて……」
『！？』
皆の目線が私に向く。
どういうことだ？という疑念の視線。
私に聞かれても分からない。
いや、ノエルとユキが知り合いなのは薄々気づいていた。
ノエルがユキのお守りを持っていたから。
問題は、どうしてそんな映像があるのか。
「着せ替え人形がこっちを見た瞬間、その映像は終わって消えたニャン……別にA姉ちゃんを疑ってるわけじゃなくて…」
狼狽えるギン君に大丈夫だよ、なんて返したけど、内心は何も大丈夫じゃなかった。
「…A、ユキ…とは誰か、知っているか？」
『ぁ…兄、です。』
スカートをギュッと握って俯く。
高校の制服…ということはつまり、二年前。
その時からユキはノエルと知り合いで…どうして？
ユキはこのデスゲームのこと、知ってたの？
「…Aちゃん、こんなことは言いたくないけど……君のお兄さんが誘拐犯側の人間ってことは…」
「っケイジ！」
ケイジさんの言葉を途中で遮ったのはソウさんだった。
皆がギョッとする中、ソウさんは私とケイジさんをジッと見ている。
あぁ、ソウさんだけは知っているんだった。
だから、そんな顔をしてくれるの？
『…大丈夫です、ソウさん。』
「……君がいいなら、いいけど。」
本当に、優しい人。
顔を伏せてはいるけど、きっと私のことを気にかけてくれて。
……こんな小さなことで喜んじゃう私は単純だ。
期待しちゃ、ダメなのに。
さて、そろそろ痛いほど刺さる視線に応えなきゃ。
ゆっくり深呼吸して、皆を見渡して、最後にケイジさんの方を見た。
『…少なくとも、現時点で兄が誘拐犯側の人間という可能性はありません。今までも…そんな素振りはありませんでした。』
「その根拠は…？」
『兄は……ユキは、二年前に亡くなりました。』
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ルイ(プロフ) - なうなうみるきぃさん» いつもありがとうございます！把握です！ (2022年11月24日 20時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さとりさん» 私的には同じ日に1話ずつ投稿するという風に考えております！ (2022年11月24日 20時) (レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
なうなうみるきぃ(プロフ) - いつも作品読ませてもらってます！自分的には片方ずつ進めてほしいです。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: 11bb46ad6e (このIDを非表示/違反報告)
さとり(プロフ) - 並行というのはその日カンナちゃんを書いて次の日にソウさんを書くということでしょうか？もしそうなら私は片方ずつを希望します。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: efc4d587e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年11月9日 17時
