252話 ページ3
「…誰もいませんよね。」
荒れた廊下につくと、ナオさんはキョロキョロと辺りを見回した。
『人の気配はないみたいです。』
「…本当に、ここに秘密の部屋があるんですか？」
サラさんが怪訝そうにナオさんに尋ねる。
ナオさんは少し口を噤むと、小さく口を開いた。
「……あの、サラさん。おそらくですが…部屋に入ったらチャンスは一度きりです…なので、一度チップをチェックさせてもらえませんか？」
「チェックですか…？」
「…はい。壊れてたらこの計画は失敗ですから……お願いします、サラさん。」
その場に異様な空気が漂うのを感じる。
ナオさんは明らかに怪しい。
サラさんもそれを感じ取っている。
「……すみません、ナオさん。」
「私のこと…信じてもらえないんですか？」
「それは……すみません…」
遠回しの言葉に、ナオさんが傷ついたような顔をした。
演技とはいえ…サラさんに信用されないというのは、ナオさんにはキツイだろう。
でもこれは、ナオさんにしかできないこと。
『(頑張って…！)』
「どうして…ですか…」
「なんだか、いつものナオさんじゃないような気がして…」
サラさんは慎重に言葉を選んでいるようだが、まぁ要するに、今の貴方は信用できません、っていうこと。
その言葉にナオさんは、手で顔を覆い尽くし、すすり泣くような声を上げた。
その姿を見たギン君が心配そうにサラさんの名前を呼ぶ。
サラさんが焦ったような表情をしているけど、それでも意見を変える気はないみたいだ。
そして彼女は一つ深呼吸をすると、真っ直ぐにナオさんを見た。
「ナオさん、全てを話してください。」
『(…流石だな。)』
この状況で、冷静に対応しようとしている。
「な、何のことですか…？」
そんなサラさんに、ナオさんが動揺している。
まずいな……
『(何とかフォローできるかな…)』
「私たちはもう、ただの他人じゃありません。仲間なんです。騙されるくらいなら、同じ立場に立って悩みたい。」
……仲間。
……騙されるくらいなら同じ立場に立って悩みたい。
このデスゲームという異常な状況で、それは理想と言えるだろう。
けど、それで全部が上手くいくなら、それは現実じゃない。
絶対に、嘘をつかないといけない時がある。
一時、騙さなきゃいけないときがある。
それが＿＿＿＿＿＿＿今。
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ルイ(プロフ) - なうなうみるきぃさん» いつもありがとうございます！把握です！ (2022年11月24日 20時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さとりさん» 私的には同じ日に1話ずつ投稿するという風に考えております！ (2022年11月24日 20時) (レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
なうなうみるきぃ(プロフ) - いつも作品読ませてもらってます！自分的には片方ずつ進めてほしいです。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: 11bb46ad6e (このIDを非表示/違反報告)
さとり(プロフ) - 並行というのはその日カンナちゃんを書いて次の日にソウさんを書くということでしょうか？もしそうなら私は片方ずつを希望します。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: efc4d587e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年11月9日 17時
