260話 ページ11
「や…った。できた、できたよA！」
何が成功したのかは分からないけど、私たちはさっきと同じように生き生きとしたハイタッチを交わす。
「見た目には分からないと思うけど、凄いことになってるよ…ふふふ、喜ぶのは先に取っておこう。行くよ、A。」
下へ降りるとモニターの人工知能の制御がバグったのか、全員が好き勝手に話し始めていた。
唖然としていたサラさんとギン君だが、生き生きとしたソウさんを見て何かを察したのか表情が明るくなる。
「お別れが言いたければ急いでよ。ロビーにいるから。」
行ってしまったソウさんの背中を数秒見つめたけど、それよりも手記と規約を戻さなきゃいけないことを思い出した。
サラさんから受け取ったそれを上へともどし、二人と一緒にロビーへと向かった。
これから私たちは、＿＿＿希望へと向かう。
ロビーに揃っていないのは私とサラさんとギン君の三人だけで、私たちの姿を見たソウさんがニヤリと笑って口を開く。
「さぁ皆、脱出口に向かうよ。」
「待てよ…！詳しく聞かせてくれって…！」
「説明は後…今は時間が無いんだ。」
軽く混乱しているレコさんをソウさんが宥める。
レコさんの気持ちも分かるけど…今は急がないと。
「皆さん…！ソウさんを信じましょう！」
「とにかく、脱出したい人は階段の方へ来て。ここに残りたいなら…止めはしないけど。」
『(…それで残る人がいないって、分かってるくせに。)』
いや、わかってるからこそのその言い方なのか。
暗くて怪しい雰囲気のその場所には、すぐ横に嘘の間への扉と、奥にはポツンと自動販売機があるだけ。
「こっちに脱出の出口があるんですか…？」
半信半疑のサラさんに、ソウさんは怪しいところを調べてみなよと肩をくすめる。
その言葉を聞いたサラさんは、なにかに導かれるようにまっすぐ自動販売機へ歩いていく。
そして手を掛ければ、その先に進む道があった。
皆の顔が驚愕に変わってる…多分私も、そう。
だけどそれより、強い期待感と焦燥感でいっぱいだった。
「マップデータを見る限り、この先を真っ直ぐ進めば出口さ。僕たちを阻む扉は、この自動販売機と最後の出口の扉の…二枚だけ。」
ごくりと唾を飲み込む音がやけにはっきり聞こえる。
「そして…その二枚とも完全に同じセキュリティーを使っている。」
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ルイ(プロフ) - なうなうみるきぃさん» いつもありがとうございます！把握です！ (2022年11月24日 20時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - さとりさん» 私的には同じ日に1話ずつ投稿するという風に考えております！ (2022年11月24日 20時) (レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
なうなうみるきぃ(プロフ) - いつも作品読ませてもらってます！自分的には片方ずつ進めてほしいです。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: 11bb46ad6e (このIDを非表示/違反報告)
さとり(プロフ) - 並行というのはその日カンナちゃんを書いて次の日にソウさんを書くということでしょうか？もしそうなら私は片方ずつを希望します。 (2022年11月24日 19時) (レス) @page18 id: efc4d587e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2022年11月9日 17時
