5の約束 ページ6
目を開けた。しかし、入ってくるはずの情報が入ってこない。
暗闇…それだけが私の視界を支配している。
私は今何を…
『(＿＿＿＿寝てる場合じゃない。)』
急いで飛び起きると、そこがメインゲームが始まる前の見覚えのある場所だと気づいた。
そして自分の電子パッドを確認すると、そこに映っていたのは…
『…どういう、こと。』
頭が上手く回らない。最後に見たのが間違っていないのなら、これは……
『(でも…とにかく票を操作しなくちゃいけないのは変わりない。しっかりしなくちゃ。)』
電子パッドの電源を消し、服にしまったところで耳がノイズを拾った。
［皆様、ご機嫌いかがでしょうか。］
『(ガシュー…)』
モニターに映るガシューの話を聞いていると、どうやら電子パッドを失くしてしまった人がいるらしい。
事故か人為か…議論に大きく関わるかは分からないけど、一応覚えておこう。
そしてメインゲームの説明が始まったが、一回目大した差異はなかった。
［全滅だけは免れるよう…頑張ってください。それでは皆様、会場をお待ちくださ…］
［おいガシュー！！］
『(ホエミー？)』
突然話していたガシューの画面にノイズが走り、ホエミーの怒鳴り声が聞こえた。
［ガシュー聞いているか…！貴様、大変なことをしてくれたな！貴様は明らかな不正を起こした…！メインゲームの根っこを揺るがす大きな不正…！！貴様は、メインゲームを私物化する気じゃ…］
彼女は何か重要なことを言っていた、少なかとも私達にとって大事な話を。
けれども途中でガシューによって遮られ、全ての怒りを聞くことは出来なかった。
［メインゲーム開場いたしました。皆様お入りください。］
その言葉を最後に、画面は消えてしまった。
不正。
それは、不正者の死かメインゲームを二十四時間延期することが出来る。
『(これは、チャンスだ…！)』
絶対に逃したくない。
けど、絶対に明らかにできる自信があるわけでは、無い。
『(それなら…不正の発覚と票の操作を同時にやっておこう。)』
無理かもしれない。
けど、やらなきゃ終わる。
『…しゃんとしろ、私。』
パチンと頬を叩くとピリピリとした痛みが走ったけど、構わなかった。
これから始まる、多数決デスゲーム。
最低でも二人が死ぬ。
絶対に……生き残って、約束を守る。
命を懸けてでも、絶対に。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
