48の約束 ページ49
「次は…カンナさんです…」
『！』
私はすぐ隣にいたカンナちゃんの手をぎゅっと握った。
離してしまえば、終わりだと思ったから。
「もうやめて…！！お願い…！！ハンナキー…！」
ハンナキーから渡されていたボタンを落として、大粒の涙を零しながらサラさんは叫んだ。
これ以上仲間を失うことは耐えられないと、そう言っていた。
そんなサラさんを見て、カンナちゃんは嬉しそうに微笑んで…＿＿＿＿＿＿＿＿
「＿＿＿＿＿動くなぜよ。」
そう言ったQタロウさんの手には、鈍い光を放つ拳銃があった。
その銃口は真っ直ぐとハンナキーに向けられているが、持ち手を掴む両手は震えている。
「それはガシューさんの…」
「…カンナに近づいたら、撃つぜよ。」
「……無駄です。カンナさんの処刑は変わりません。」
「…なんでだ…お前さんは、ガシューやホエミーとは違うじゃねえか！！あんな辛そうな顔で処刑やらされて…！！こんなこと…本当は望んでねえんだろ！？」
きっと、そうであって欲しいという希望も含まれていた。
Qタロウさんの他にも”何となく、ハンナキーはこっち側にも有利に働いてくれるだろう”、という意識がある人はいるはずだ。
実際に私も、心のどこかでそう思っている。
「…分かってませんね。」
でも、違うのだ。
「私はずっと、皆さんの敵ですよ？」
心の内がどうであれ、結局彼女の立場が敵であるということに間違いはない。
一歩、また更に一歩と足を進めていくハンナキーの姿に、私はこの後に起こる光景を想像することが出来た。
「う、うおおおぉぉぉぉぉ！！」
カシン、
乾いた音が鳴った。
ハンナキーにも、私にも驚きはない。
『(…やっぱり……)』
Qタロウさんの手の中にある拳銃は、もう既に本来の役割を果たすことはできなくなっていた。
「空っぽでしたね…」
「くそぉぉぉ……！」
拳銃を力の限り床に叩きつける彼の表情には悔しさが溢れて、見ていられなかった。
「…もう、いいんです。ありがとう…皆さん…」
カンナちゃんは皆を見渡してそう言った。
「ありがとう、サラさん。」
サラさんに笑顔を向けてそう言った。
「ありがとう、Aちゃん。」
私の手を両手で握り返して、そう言った。
涙は溢れて、止まらない。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
