47の約束 ページ48
「カンナは、本当はとってもズルい子なの…Aちゃんはソウさんが好きだから、カンナを大切に思ってくれてるから…これからも、約束を守ってくれるよね？」
『守る、守るから…！』
死なないで＿＿＿＿＿＿＿
カンナちゃんは私の言葉に、首を縦に振ってはくれなかった。
「それじゃあ…け、結果を、発表します……鍵番は篠木敬二、賢者はバーガーバーグQ太郎、身代は絵心菜緒でした…」
「Aちゃん…」
『ぁ……』
声の聞こえた先には、ただ静かで、穏やかな表情のナオさんがそこにいる。
「…私、貴女に謝らなくちゃいけなくて…」
『え…？』
「二回目の交換で身代を送ったのは、私なんです…」
ごめんなさい、と頭を深く下げた彼女に、私は困惑するしかなかった。
『頭を、頭をあげてください…！謝らなくて、いいんです…！』
「いいえ…ずっと謝らなくちゃって、思ってました。最初に殴ってしまった時も、身代を交換した時も…心の中で、貴女を少しでも誘拐犯側の人間だと疑ってしまったことも。」
そんなこと、どうだっていい…！
私は、私のために嘘をついた。
皆が私を疑うように仕向けた。
だから…！！
『謝らないで…』
その謝罪を一つ聞く度、私の心臓は潰れてしまいそうになる。
「それなら…＿＿＿＿ありがとう、Aちゃん。貴女のおかげで皆を裏切らずにすみました…」
『！！』
「どうか自分を、責めないで。」
最後にそう言って笑みを浮かべたナオさんは、その笑顔のままレコさんに話しかけた。
「レコちゃん…貴女と出会えてよかったです…」
「それは私の方だ…！！ナオがいなければ、私は…！！」
「ありがとう……ふふ、あっちで、先生に会えるでしょうか……絵、完成させたかったな。」
私は、ナオさんから彼女の願いを奪った。
レコさんから、大切な友達を奪った。
ナオさんとレコさん…彼女らにとってはお互いが、私にとってのカンナちゃんのような存在であるはずのに。
「…そ、それでは、処刑の時間です……」
ハンナキーの言葉を合図にナオさんが拘束される。
処刑が始まると共にサラさんへと渡された即死スイッチが、押されることはなかった。
嗚咽を零しながら、ナオさんが押さないでと懇願したのだ。
それはきっとナオさんの、サラさんに対する最大限の優しさだった。
サラさんに、自分を殺させないように。
優しい優しい彼女は、悶え苦しみながら亡くなった。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
