46の約束 ページ47
「…ありがとう。Aちゃん…」
『ぁ…ぁぁ…』
投票結果が、彼女の
私が＿＿＿＿＿＿カンナちゃんを殺した。
「A……」
『(ソウ、さん…)』
苦しい。
苦しい、苦しい、苦しい苦しい苦しい。
『(くるしい＿＿＿＿＿)』
「息をして、Aちゃん…！」
いつの間にかカンナちゃんが私の目の前にいて、私の両手を包み込んでいた。
苦しかったのは、呼吸が上手くできていなかったから。
突然大量の酸素が肺の中に侵入してきたものだから、思わず咳き込んでしまう。
「ありがとう、Aちゃん。」
私の呼吸が整ったのを確認したカンナちゃんは、私を優しく抱きしめてそう言った。
『…なん、で……』
私のせいで貴方は未来を失ったのに。
私に全てを奪われたのに。
「Aちゃん…最期に、ギュッてして…お願い…」
『……』
ゆっくりと、彼女の背中に腕を回す。
震えてしまってすぐに離してしまいそうで、シワになってしまうと思いながらも制服を強く掴んだ。
「えへへ…あったかいなぁ…」
『(ダメだ…泣くな、泣くな…！)』
肩の部分が湿ってきて、カンナちゃんが泣いているのが分かる。それにつられてしまいそうなのを必死で止めていた。
「カンナとの約束…守ってくれて、ありがとう…」
でも、無理だった。
耳元で、私にしか分からないようにそんなことを言われてしまったら。
慈愛に満ちた声で、そんなことを言われてしまったら。
抑えることなんて、できるはずもなかったのだ。
『私は…！
「違うよ。Aちゃんは優しいから…私とソウさんを選べなかった。選べなくて、悩んで悩んで、どうしようもなかった中で…カンナとの約束を思い出してくれただけ。」
でも、その結果カンナちゃんを犠牲にして…
「ソウさんの願いとカンナの約束…後者を、カンナを選んでくれただけ…ありがとう、本当に…！」
『っ…なんで……』
私を恨んでよ。
憎んで、罵って、呪ってよ。
「Aちゃんは＿＿＿＿ソウさんが好きだよね。」
『は……』
囁かれたそれは、私の体を硬直させるのに十分すぎた。
『わた、し…』
「Aちゃんが
ごめんね、と最後に言われたけど、私は何も言えなかった。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
