42の約束 ページ43
まるで私の心の問いに答えたようだった。
だって現に彼女は、皆を見渡して、最後に私の瞳を見つめて離さない。
何を言ってるの。
私に何を訴えかけているの。
分かっている。
けれど認めたくない。
分かりたく、ない。
「何言ってるかじゃ！！カンナ！！」
「分かってるはずです！！ソウさんとカンナ…どっちが不要か…！！」
そんなのない。
私にとって二人が大切で、二人が必要で、
「元々カンナは、サラさんの身代を交換しようとした時から死ぬつもりでした…！！お願いです…カンナにできることは…これくらいしかないんです…」
『(そんなこと、言わないでよ…！)』
心の中でいくら訴えても、カンナちゃんには届かない。
叫べ。
叫べ！
声にしろ！！
「その代わり…ソウさんを、信じてあげて欲しいんです…本当は、悪い人じゃない、から。」
『っあ、』
「ふざけるなよ！！カンナ！！」
それはまるで代弁のようであったが、少なくとも彼の心からの叫びであることは間違いなかった。
「くだらない…！！何が自己犠牲だ！！やっぱり子供だよ…カンナは…自分が死ねば全部解決するって勘違いしている浅はかな子供だ…！！」
「…もう、気持ちは変わりません。」
「黙れよ…！！カンナ…！！皆、もう結論は出てる！！さっさと投票だ！！サラ！！お前は僕を心底嫌ってただろ！！僕が憎いだろ！？こんなチャンスは…もうないぞ！！」
彼が今までの全てを利用してカンナちゃんを生かそうとしている。
このまま黙っていて、いいわけないのに。
「カンナにはハッキングもないし、知恵もありません…！！」
「黙れって言ってるだろ…！！カンナ…！！」
「思い出してください…一回目のメインゲームを…！」
一回目のメインゲーム、私たちはカイさんを犠牲者に選んだ。
生き残るために、”理”を選択した結果だ。
…今回は私を選ばなかったのに。
「でもそれは、失敗なんかじゃない…！本当の失敗は、ブレることです！！信念を貫けない弱さです！！」
「やめ、ろ…カンナ…！！」
「今こそ脱出するための”理”を選ぶべきなんです！！＿＿＿＿＿カンナを選ぶべきなんです！！」
カンナちゃんの決意と、ソウさんの悲鳴のような叫び声が私の心を抉っていく。
『(あぁ＿＿＿＿)』
最悪だ。
最低だ。
＿＿＿＿＿＿こんな想いをするなら最初から……なんて一瞬でも考えてしまった自分が嫌で嫌で仕方なかった。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
