34の約束 ページ35
「…君の役目、なんじゃないかな。」
ケイジさんがボソリと声をかけてくる。まるで心を読んだみたいに。
皆が誰だ誰だ、私じゃない僕じゃないと話し合っている中、彼も正体が分かっているらしく、口を開く様子のない私に話しかけてきたようだ。
『私の言葉で…あの人は、暴かれてくれると思いますか？』
「君以外が聞いても口を閉ざすだけじゃないかな？君にしか暴かれてくれないよ。」
何処か聞いたことのあるフレーズに、なんだかむず痒くなる。
『サラさんとのこと…根に持ってます？』
「ククク…そんなことはないさ。おまわりさんは客観的事実を言ってるだけだよ。」
何かしら思うところはあったんだろうな…なんて苦笑しながら、私はあの人を見つめた。
あの人は私の気持ちに気づいてくれた。
本当は、苦しかったこと。
兄のことを悪く言うのは、嫌だった。凄く嫌だった。
でも、気づかないフリをしていた。気づいてしまえばブレてしまうから。
でも貴方は私を暴いた。暴いてくれた。
だから…もし貴方が同じように苦しんでいるなら、今度は私が助けたいと思う。
最初はただの打算関係だった。
お互いが生き残るために、協力する関係。
私が生き残るために、価値を証明するために、あの人を利用しようとしていた。
でもいつからか…信用したいと思い始めて、信用されたいと欲を抱いた。
素っ気ない物言いの時もあった、でも、貴方はずっと優しかった。
ここに来て初めて笑えたのはあの人のおかげ。
あの人の優しさが嬉しくて、一緒にいたくて。
支えたくて、守りたくて、生きていてほしくて。
『(ホント…重症だなぁ…)』
欲張りでごめんなさい。
こんな想いを抱いて、ごめんなさい。
でも、だから、だからこそ…
＿＿＿＿＿＿＿＿私に、暴かせて。
『
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
