33の約束 ページ34
「思い出したニャン！一階の酒場だワン！黒板に名前が書いてあったニャン！」
私の思考はギン君の声で途切れた。
確かにあの黒板には、飲酒ができる人とできない人で分けられた名前が並んでいた。
「だが、全員の名前なんて覚えられなかったし……」
「覚えてるワン！A姉ちゃんと…一緒に！」
『！』
一緒に覚えようと言ったあれを…私の言葉を、覚えていてくれたのか。
『…そうだね。ちゃんと私も覚えてる。』
そう言うとギン君は安心したように、嬉しそうに綻んだ笑顔を見せてくれた。
『酒場の黒板ですけど…飲酒可が、アリス、カイ、カズミ、ケイジ、シュンスケ、ソウ、ナオミチ、マイ、メグミ、レコ、Qタロウの十一人。』
「飲酒不可がアンズ、カンナ、ギン、クギエ、サラ、ジョー、ナオ、ヒナコ、ランマル、Aの十人だニャン！」
「二人とも凄いな…ありがとう、助かったよ。」
サラさんに撫でられて嬉しそうにしていたギン君は、不意に首を傾げた。
「よく考えると…陰キャ、載ってないのは五人ワン！」
「…あれ、急いでて数え間違えたかな…ごめん。」
ソウさん……
自分の名前を数え忘れた…なら、別にいいのだが。
彼の表情は数え間違えた気恥ずかしさというよりは、どこか焦っているように見えた。
『(飲酒可と飲酒不可の人数を合わせると二十一人…参加者は全部で二十一人と考えてよさそうだな。)』
でもそのうち、五人は紙に名前が載っていなかった。
『(……あれ…紙に書いてあった名前は、確か全部で十七人分だったよね…？)』
でもそれに五人を足すと合計二十二人。一人多くなってしまう。
サラさんも気づいたのか、ガシューに参加人数を聞く…返ってきた答えは二十一人だった。
「どういうことニャン！？黒板の名前は二十一人ピッタリだったワン！」
「なら今度は、名簿の名前と黒板の名前を照らし合わせればいい…！」
そうして残ったのは、ただ一人。
0.0% 月見真…自営業
「一体コイツは…何者なんだ…！？」
「……そうか…月見真は…仲間の内の誰か…！！黒板の名前を、偽名に書き換えたんです…！！」
そんなの…もう、誰かなんて分かりきってる。
『本名が判明してないのは名簿に名前が載ってない人達ですから…その中の誰か、ですね。』
分かりきってるのに、こんなに遠回りな言い方しかできない。
でも……
『(他の誰かに暴かれるのは…嫌だな。)』
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
