31の約束 ページ32
『怖がる必要がない…は、嘘かもしれません。でも、怖がっていてもいいから、前に進まなくちゃいけない。そうしなきゃ、何も変えられない…』
貴方に絶望を味わってほしくない。
これからも一緒に生きたい。
生きていてほしい。
『怖がったまま立ち止まっていたらダメなんです。今のままで、本当にいいんですか？』
「ッ良いわけないだろ…！」
絞り出したような感情だった。
もう少し、もう少し教えてくれたら、一緒にその恐怖を抱えられるよ。
『それなら…貴方が立ち止まっている理由を教えてください！』
「君達が…！！」
『……君、達？』
「！」
君達ってことは、私を含んだ誰か。もしくは誰か達だ。
どうやら言うつもりはなく、思わず出てしまったらしい。猫みたいに目を丸くさせて、自分の発言に驚いていた。
『…教えてください、ソウさん。』
彼は視線をさ迷わせるが、私はジッと見つめて離さない。
すると観念したようにため息をついてマフラーに顔を
そして意を決して彼は顔を上げて、不安そうに私を見て…そしてカンナちゃんを見た。
「…A、カンナ……君達は本当に、身代じゃないのかい…？」
私は思わずカンナちゃんと顔を見合せてしまった。彼女も驚いたらしく、目を白黒させている。
けれどもそれより、早く彼に伝えなければならない。
「カンナは本当に身代じゃありません。」
『私もそれは確認済みですし、私も平民です。』
「……そっか…」
私達の言葉を聞いたソウさんは、またマフラーに顔を隠した。でも、今度は指先は震えていなかった。
「僕は……役職カードにアクセスしていない…！ハッキングなんて、してないんだ！！」
「ソウさん…！！」
顔を上げた彼の目には、間違いなく確かな光が見える。
「これが嘘偽りない真実だよ、サラさん…こうなったら騙し合いはやめだ。僕らの手で、ガシューの不正を暴く…！！」
それは確かに、全員の心が一つになった瞬間で。
希望に向かう一筋の光を、確実に捉えていて。
今までにないほど私たちの絆が強くなっていた。
カードを交換すること…身代を動かすことに、ガシューに何らかのメリットがあったんだ。
殺したい人間がいた。
殺したくない人間がいた。
残された手がかりに答えはないのか。
そもそも身代は誰の手にもないのではないか。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
