30の約束 ページ31
サラさんの言葉がきっかけで、メインゲーム前の記憶が一気に頭に流れ込んでくる。
モニターに突如として現れたホエミーが、ガシューは不正を起こしたのだと怒鳴っていたあの映像。
私は自分がどうにかしなきゃと考えるばかりでそのことを忘れていた…私の
そしてさらに、ガシューが不正をしたことで得られるメリットがあったなら…ガシューが不正をする理由になる。
「ふむ…的外れの推理ですな。こんなことに時間を使ってよろしいのですかな？」
「ガシュー…不正をしていないと言うなら、約束しろ。」
「はい…？」
「私はフロアマスターの規約を知っている…もし私たちがお前の不正を暴けば、このメインゲームはノーカウントだ。二十四時間後に再度仕切り直しを要求する！！」
二十四時間あれば…まだ、何か出来るかもしれない。
規約通り役目を遂行する、といったガシューに皆の表情も明るくなる。心が、一つになっていく。
「…でも、いいのですかな？証明できなければ、他の推理をする時間が無くなるだけですが……」
ガシューの一言に一瞬不穏な空気が流れるが、そんなことに怯えている場合では無いのだ。
やらなければ、何も変えられないから。
サラさんもそれを分かっているから、ガシューに向けていた視線を外しある人に向けた。
「ソウさん！真実を話してください！もう一つ可能性があるとするならば…ソウさんが役職カードをハッキングしたかどうか、です……この真相がわかれば、私たちは戦える…！全員で力を合わせて、延命を勝ち取るんです！！」
「……」
ソウさんは、マフラーを細い指でぎゅっと握っていた。シワができるくらい、強く。
ああ、何かを怖がっている。
さっきの私と、同じように。
それなら…今度は、私の番だ。
私が貴方の背中を押す番。
『怖がる必要なんて、ありませんよ…ソウさん。』
「は、はは…君がそれを言うんだ。」
ぎこちなく笑う貴方の言葉に、まさにその通りだと思った。
その通りで、その通りだからこそ、私が言うのだ。
私に勇気を与えてくれた、きっかけをくれた貴方だから、私は貴方の持つ恐怖も不安も一緒に抱えたいと思ったのだ。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
