3の約束 ページ4
「カンナはずっと…ソウさんに守ってもらった、助けてもらった。だから…恩返しがしたい。でもカンナには無理かもしれない…もしそうなったら、カンナの分まで…ソウさんのそばに、いてほしい。」
『……わかった。でも…私に何かあったら、カンナちゃんがソウさんのそばにいてあげて。』
「…うん！約束。」
伸ばされた小指に自分の指を絡めてぎゅっと握る。
微かに感じる温もりに、泣きたくなった。
「じゃあ…今度こそ行こっか。ごめんね、さっき遮っちゃって。」
『ううん、大丈夫…急ごう、もう時間がないから。』
これから私達がやるのは、別にこの状況をどうにかするものじゃない…ただの私のわがまま。カンナちゃんはそれに付き合ってくれてるだけ。
でも私は…大切な友達を、守りたい。
大切な人を、守りたい。
いざとなったら悪役にだって…悪魔だって、鬼にだってなってやる。
階段を一番下に降りて…一番近くのもしもしボックスに入る。
元々一人しか入ることを想定していないのか、二人で入ったその空間は狭かった。
震える手で受話器を取り、詰まりながらもその言葉を口にする。
「……」
『……』
静寂。いいや、ある意味騒音。
心臓や呼吸の音がやけに主張して、頭がおかしくなりそうだと思った矢先のこと。
この狭い空間の中に二人分のサイレンが鳴り響いた。
二人して肩をあげてしまってこんな状況でなければ笑ってしまいそうだったけど、私はある一つのことに神経を集中させていた。
彼女がタブレットを確認しようとしている。私もそれを見て、ゆっくりタブレットを取り出した。
『…！』
視界に映った平民を見て、笑みを浮かべて、そのまま＿＿＿＿＿＿＿意識を失った。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
