26の約束 ページ27
『そんなこと言ったらもう、平行線にしかならないよ…』
カンナちゃんが認めてくれないなら、他の皆を納得させるしかない。
『私は見たの。意識を失う直前、カンナちゃんの電子パッドを。メインゲームが始まる直前に自分のパッドを見たけど、やっぱり平民だった…それが、事実。』
嘘は、言ってない。
言うべきことを言っていないだけ。
「それって…」
カンナちゃんが目を見開いた。
あぁ、伝わってしまっただろうか。
でもそれなら、黙っていて。
『貴女は身代なんだよ、カンナちゃん。だから…票を集めちゃいけない。』
どうか、分かって。
「そうやって……Aちゃんはカンナのことを守ろうとするんだ…！！」
『な、』
「分かってるんだよ…！ずっとカンナのこと、守ろうとしてくれてるって…票を集めないように、身代だと思わせようとしてるって…！！」
『っ意味がわからない…！！』
そういうことじゃ、ないんだよ。
そんな私の気持ちを分かった上で、それを受け入れてほしかった。
『私は誘拐犯側の人間かもしれないって知ったのに、どうしてそんなこと言ってられるの…！？』
「カンナ真実を言ってるだけ…！！信じたい人を、信じてるだけ！！」
胸が張り裂けてしまいそう、なんて誰が考えたのだろうか。そんなことは知らないけれど。
確かにその言葉でしか表せられない苦しさが今、私を襲っている。
『……なんで…私なんかを、信じられるの…』
私にできる限りの事は全部やった。
約束を、カンナちゃんを、ソウさんを守るために。
ユキのことを悪く言って、自分を疑うようにさせて、皆のことさえ裏切って。
私を好きだと言ってくれたあの子に、私を信じてくれたあの子達に返せるものなんて何も無いのに。
私はこれ以上、どうすればいいの…？
「＿＿＿＿＿＿A、君には無理だ。」
『……ソウ、さん…？』
いつだってこの人は、私の予想も出来ない行動をとる。
そして、私のことを分かってくれていた。望んだ行動を、意図的じゃなかったとしても、してくれた。
何が、一体何が無理なんだろう。
一体何がダメだったんだろう。
教えてよ…ソウさん。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
