25の約束 ページ26
「カンナは…サラさんを、死なせたくなかった…！それに……ソウさんを、人殺しにさせたくなかった…！！」
あの時も…私と階段で対峙した時も、彼女はそう言った。それは本気だった。
彼女は本気でサラさんを救おうと、ソウさんを守ろうと、自分が犠牲になろうとしていた。だから……
「そんなの…自分が死ぬより、辛いと思ったんです。」
カンナちゃんが死ぬくらいなら、私が死ねばいいと思った。
「でも…カンナの気持ちは、バレバレだったみたいです。」
カンナちゃんが視線の方向を変えると、皆の視線もそれに習い＿＿＿私に向く。
「Aちゃんは階段を下りるカンナを引き止めて言ったんです…サラさんと交換するんでしょ、って。」
「A……」
まだ、今はまだ違う。
待って、待って……
「Aちゃんはカンナに死んで欲しくないって…言ってくれたんです。でもカンナも譲りたくなかった…そんな時に、Aちゃんが提案してくれたんです…一世一代の賭けを。」
あぁそうだ。私の命を賭けてでも、カンナちゃんを救いたかった。
でもそれは、何故か失敗して、その失敗ですら予想の範疇を超えたものだった。
「Aちゃんとカンナの二人でもしもしボックスに入って…電話の先に、こう伝えたんです＿＿＿千堂院サラのカードを、神影Aと木津池カンナのどちらかのカードと交換して、と。」
「どちらかって…そんなことできるのかよ…！？」
「分かりません…だからこそ、賭けだったんです。カンナが選ばれるのか、Aちゃんが選ばれるのか…」
「…どっちに、来たんだい？身代は…」
ケイジさんの探るような言葉。
皆がカンナちゃんの答えを待っている。
「私の手元に来たのは＿＿＿＿平民、でした。」
『＿＿＿＿嘘つかないで…！！』
空気を裂くような、まるで悲鳴をあげるように叫んだ。
皆が驚いて私を見るけど、彼女は、カンナちゃんだけは全く狼狽えずに私を見つめている。
「…カンナの何が嘘だと思うの、Aちゃん。」
『貴女が、平民だということ…だって私の元に来たカードは平民だったんだから。私が決勝投票の四人に選ばれてないのが何よりの証拠でしょ？』
「カンナは、誰よりAちゃんが優しいことを知ってる…だから、そんなの証拠にならない。」
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
