24の約束 ページ25
「ッバカ！！何も言うな…！」
カンナの認めた事実に、ソウさんが泣きそうな顔をして叫んだ。
何も言わないカンナちゃんに、周りは察したように悲痛な表情を浮かべる。
「最悪な、結末ぜよ…！」
「自己犠牲なんて…カンナ…！」
「ソウ…君はどこかで察してたんじゃないか？」
沈黙を貫くソウさんに、ケイジさんが語りかける。
声をかけられたソウさんは苦虫を噛み潰したよう表情で、酷く顔色が悪くて。
「だから、カンナちゃんに投票させようとしていた。」
「……うるさい…」
蚊の鳴くような声だった。
泣きそうな声だった。
「それしか、カンナちゃんの生き残る道はないから…」
「僕は…！」
「＿＿＿＿＿待ってください！」
「…カンナの話を、よく聞いてもらえますか…？」
声を張り上げたカンナちゃんはそのすぐ後、打って変わったように穏やかな声音でそう言った。
「脱出がもう出来ないって知ってから、どうしたらいいか分からなくなって…スマホを見たんです。お姉ちゃんの言葉を見ると、心が落ち着きました。そして…何も出来ない自分が嫌になりました。」
あくまで落ち着いた様子のカンナちゃんに周りも耳を傾けているが、私は冷や汗が止まらない。
いいや、大丈夫。否定すればいい。
否定しなければ、ならない。
「これまでずっと…カンナは裏切り続けました。お姉ちゃんを…皆を…サラさんを…」
気にしていたから、だから償おうと、そう言うのか。
「ソウさんがサラさんに身代を送ったことは、なんとなく気づいてました…カンナは難しい交換の話はよく分かりません…誰が誰に、なんて推理もできません。」
そこまで話したところで一呼吸置き、俯き気味だった視線はまっすぐ、サラさんに向けられた。
「それでも一つだけ、確信がありました…サラさんは優しいから、きっと誰にも身代を交換できないって…」
サラさんはそれを聞いて、泣きそうな表情をしていた。
あの時パソコンの前から走り去っていったサラさんはもしかして、アリスさんの元へと行っていたのだろうか。メダルを得るために。
もしそうだったなら…今の言葉は、痛くて痛くてたまらなかっただろう。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
