20の約束 ページ21
『二回目でも三回目でもありませんよ、サラさん。』
「え…？」
「…まさか、君が。」
『二回目も三回目も私の関わった交換ですから、話せますよ。私は二回目で身代を受け取り、三回目でQタロウさんに身代を送りました。ケイジさんが交換するタイミングなんてないんですよ。』
「！！」
「ちょっと待て！お前さんだったんか…！A…！」
『言ってなかったですね。はい、私が貴方に身代を送りましたよ、Qタロウさん。』
だって貴方が一番メダルを持っていたから。
そんな言い訳や戯言、口が滑ったって言えない。
私が彼に身代を送った事実は変わらないから。
「でも最初からAが身代を持っていたら…！二回目でAに身代が送られたというのが嘘なら、ケイジさんはそこで賢者になったかもしれないだろう…！」
『…なるほど。私が嘘をついてると言うんですね…まぁそうですよね、そうじゃなければ、ケイジさんはずっと貴女に嘘をついていたことになりますから。』
「っ…！」
サラさんの表情が歪む。図星だったのだろうか。それとも嫌なことを言われたからかだろうか。
まぁそんなのどっちでもいいけど。
『何か間違ってますか？ケイジさん。』
「…それを答える必要は、あるかい？議論はもう終わったも同然なのに。」
『……逃げるんですか。』
私とケイジさんの視線が交差する。
熱なんて一ミリもない。冷たくて鋭くて、怒りの込められた視線。
「…あの……本当にこのまま、ソウさんに投票してしまっていいんでしょうか…」
それを途切れさせたのは、そんなナオさんの一言だった。
「何か…おかしいです…！もう少し話し合った方が…」
「バカなこと言うなよ…！ナオは候補者なんだ…！ここから議論がもつれてお前が選ばれちまったら…」
「私だって怖いです！！でも、何か変な感じがするんです…！！本当にソウさんは平民で、ケイジさんは鍵番なんでしょうか…！？」
何か、風向きが変わった。
これは多分、身代であろうナオさんの足掻き。
でも、それでも、ケイジさんが鍵番じゃない可能性に、賭けていいんだろうか。
「時間がある限り、真実を追求するべきです…！！」
そうして私達は話し合う。身代が、誰なのかを。
でもそれは、鍵番がケイジさんであることを仮定したものだった。
『(それなら…せめて、ソウさんが身代なら。)』
それならソウさんに投票して、カンナちゃんと一緒に生きてもらえるのに。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
