2の約束 ページ3
私の言葉に、カンナちゃんは目を見開いた。
そして悲しげな笑みを浮かべて、私を見た。
「…バレちゃった。」
『っ…分かるよ……』
必死に震える声を抑えながら、カンナちゃんに一歩近づいた。
彼女が私から逃げようとする様子はもうなかった。
けれども…決して、諦めたわけじゃないと分かる眼差し。
『カンナちゃんにとって…サラさんは、そんなに大切な存在になってたんだね…』
「うん…それに……カンナは、ソウさんを人殺しにさせたくない…！」
それは紛れもなく、カンナちゃんのソウさんを大切にしているという想いの現れだった。
私もソウさんに、辛い思いはして欲しくない。背負わなくていいものを背負わせたくない。
『でも…でも私は…！カンナちゃんに…死んでなんて、欲しくないよ……』
「Aちゃん…」
『……だから、一緒に背負わせて。』
「え？」
『あのね…提案が、あるの。成功するかどうかは分からないけど。』
カンナちゃんに死んで欲しくない。
けれどサラさんを見捨てるなんていう選択肢を、カンナちゃんはきっと選べない。
だからこれが妥協案。
強引だけど…これで私が身代の行く先を操作出来れば、投票先を操作出来れば……
『(カンナちゃんのことも…ソウさんのことも、助けられるかもしれない。)』
これは一世一代の勝負。
私ができる、賭け。
「……！そんなこと、本当にできるの…！？」
『分からない…けどこれなら…カンナちゃんも納得がいくかなって。』
「でもこれだとAちゃんも…！」
『それはお互い様でしょ…？お願い、一人で背負わないで…』
「…分かった、やろう。」
頷いてくれたはずカンナちゃんの表情は、了承したとは思えないほど悲しそうで、涙ぐんでいた。
けどきっと、私も同じ顔をしている。
私達は…お互い納得していない。お互いが、お互いに諦めて欲しいと思ってる。
『じゃあ…行く？』
「ちょっと待ってAちゃん！……一つ、約束して欲しいことがあるの。」
『約束…？』
「…ソウさんのこと、守って欲しいの。」
泣きそうな顔をしていた彼女はどこに行ってしまったのか、その表情は妙に大人びていた。覚悟を決めた、真っ直ぐな眼差しだった。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
