19の約束 ページ20
「Qタロウさんが、賢者…！？」
「ば、バカな、有り得ない…！」
「有り得るんだよ！！そして賢者として一つ宣言する…！ケイジは間違いなく、鍵番ぜよ！！」
Qタロウさんに賢者のカードが移動したのは…恐らく、五回目の交換の時。
問題は誰からされたのか…ケイジさんだろう。
一回目の交換の時、ケイジさんは鍵番で、それをサラさんに渡したと言っていたけど…それが本当だとすると今ケイジさんが鍵番でQタロウさんが賢者なのは辻褄が合わない。
でも…最初からケイジさんは鍵番じゃなくて賢者だったなら、全てが繋がる。
賢者の透視の力で鍵番が分かるんだから、その人とサラさんを交換すればいいだけだ。
最初に鍵番だった人が何も言わなかったのは…どうしてだろう。
『(…もしかして、最初に鍵番だったのってソウさんなのかな。)』
一回目の交換はケイジさん達がやったもの…信頼関係が深まったと言った彼に、ソウさんは険しい表情を浮かべていた。何も言わなかったけど。
一回目の交換も五回目の交換も分かった…でも、それだけ。
なんの解決にもならない。
なんの、価値もない。
私はケイジさんが五回目の真相を話すのを、どこか遠い世界のように切り離して聞くだけだった。
「これで証明できたねー…透視でQタロウの鍵番を見抜いたおまわりさんは…Qタロウの鍵番とおまわりさんの賢者を五回目の交換で入れ替えた。そして…もう五回目の交換について話し合う必要も無くなった。さっき君は価値を確信して自白した。”自分は平民だ”ってね…」
この人は…ソウさんを、選ぼうとしている。
ソウさんを、殺そうとしている。
その事実が私の頭をカッと沸騰させ、目の前を真っ赤に染めた。
何も出来はしないと前に進もうとはしないのに、少しでも誰かを傷つけようとしている。
もう、どうにでもなれと思っている。
「他に疑問は…？」
「…あの、ケイジさん。」
「ん？なんだいサラちゃん。」
「一体いつ賢者に交換されたんですか？二回目か三回目だと思いますけど…」
「……」
あぁ、ここだ。ここで全部話してしまえばいい。少しでも、何か、傷痕を残せるなら。
話してしまえ…自分の罪を。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
