18の約束 ページ19
決選投票に残ったのは、ケイジさん、ソウさん、カンナちゃん、ナオさんの四人。
この中でケイジさんとソウさんが選ばれる理由は分かる。怪しいし。
カンナちゃんはソウさんの影響で投票されてしまった…と考えるのが妥当だろう。
……もしくは、私の発言が逆に彼女を目立たせることになってしまったかもしれない。
『(…いや、今はそんなこと考えてる暇は無い。)』
後のナオさん…彼女は特に発言が多かったわけでも怪しいところがあったわけでもない。
それでも選ばれた…それは何故か？
『(身代の可能性が…高い、かもしれない。)』
「待ってください！貴方は、一番最初に自分は身代だって…！」
「あぁ、あれ嘘だよ、平民だもん。」
ソウさんの言葉で全身の血の気が引いていき、今までの思考は全て止まってしまった。
自分は身代だと、嘘でもいいから言い続けて欲しかった。
その
「もういい。」
底の底まで冷えきった声が一瞬でその場を支配した。
私を支配しているのはケイジさんか、それとも胸に燻る嫌な予感か、それとも単純な恐怖か。
「久々だよー…人をここまで嫌いになったのは……言っとくけどおまわりさん、メダルなんてとっくに使い切ってたんだ。」
「あはは…信じろって？」
笑みを崩さないソウさんに、ケイジさんはいつものような口調のまま、一切温度の無い声で続ける。
「ソウ。君は最終的におまわりさんが身代だって言いたいんでしょ？残念だけど…＿＿＿鍵番なんだよねー。」
『……は…』
「…一矢報いたみてぇだな。」
ポツリとそんな声が聞こえる。
嫌な予感が背筋を伝った。
「俺の本当の役職は＿＿＿＿＿賢者ぜよ…！！」
最悪。
最悪、最悪、最悪、最悪。
『(最悪…！！)』
何が起きているのか分からない。
何が起こっていたのか分からない。
ただ現状が最悪なことだけ分かる。
もし彼が本当に鍵番だと言うなら、それが真実なら、希望なんてものは無い。
どうしてこんな時だけ、頭は急速に回転するんだろう。
気づきたくなかった。もっと馬鹿でいたかった。
……希望を持ち続けられる、人間がよかった。
『(あぁ…嫌だ……)』
私は、私の心は、枯れた枝みたいにポッキリ折れてしまったのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
