16の約束 ページ17
一瞬呼吸が止まった。
自分の名前を呼ばれたはずなのに、それが自分の名前だと認識できなかった。
いや、自分の名前だと認識したくなかった。
私のことを言っているのだと、分かりたくなかった。
全てを見透かされたような感覚が気持ち悪くてたまらない。そんな目で、私を見ないで。
何も、言わないで。
「頭のどこかでずっと考えてたんだ…本当に君が誘拐犯側なのかってね。君は頭がいい。素直にお兄さんのことを言わなくたって…誤魔化す方法もあったはずだ。」
『……何が、言いたいんですか…』
喉がカラカラで上手く喋れない。
言葉が詰まる。息が詰まる。
「単刀直入に言うと君が身代なんじゃないかと思ってる…ってことだね。そうじゃなかったとしても、誘拐犯側のことで君には聞きたいことがある…落選させて情報を聞き出すべきだよ、皆。」
彼はもう、私を見ていない。
君はもう相手じゃないと言わんばかりの態度。
まだまだ甘いと舐めているような言い方。
そんなものはきっとただの被害妄想。
だけど私は、ここで貴方の思い通りになるわけにはいかない。
多分私は、この時冷静ではなかった。
『…貴方がそういうなら、私もいいます…＿＿＿＿私はカンナちゃんが身代だと思います。彼女を落選させるべきです。』
「え…！？」
私がまたさらに新たな発言をして、皆に動揺が走る。
「ふーん…そう、とにかく君は落選するべきだ。君が身代にせよ、違うにせよ…ね。」
『ッどうして…！！だって、だってあの時は…！』
「＿＿＿＿＿時間切れです。決選投票に残る四人をお決めください。」
カイさんのことは、そうやって選んだのに。
ガシューに遮られなければ、そんなことを言っただろう。
「皆様、投票よろしくお願いします。」
投票？こんな状態で？
きっと皆次々と出る情報に混乱している。
その中で、何を信じる？
何を疑う？
誰を…犠牲にする？
震える画面に指を当て、自分に投票する。
誰でもいい。誰か、誰か一人でも私に投票してくれたら…！！
「決選投票に進む者は…日和颯、木津池神奈、篠木敬二、絵心菜緒…以上四名です。」
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
