11の約束 サラside ページ12
『そう思いますか？サラさん。』
「わ、私は……」
誰だ？
今目の前にいるこの少女は、一体誰なんだ？
ケイジさんに取引を求めていた時ともまるで違う雰囲気。
言うならばそう、別人。
誰かが彼女とは違う何かを演じきっているような、そんな感覚。
いや……今までが、演じていた？
分からない。
神影Aとは誰なんだ？
神影Aとは何なんだ？
誘拐犯の仲間なのか。このイカれたデスゲームを主催しているメンバーの一人なのか。
信じられない。
信じたくない。
＿＿＿神影Aと言います……中学生です＿＿＿
＿＿＿……皆さん、離れてください。巻き込まれ、ちゃいます＿＿＿
＿＿そもそも、誰が信用できるとか、できないとか……そんなことを言えるほど、私達はお互いのことを知らないのに……もう少し、冷静になって考えるべきだと…思い、ます……＿＿＿
＿＿＿じゃあ……ずっと私の事、好きでいてね＿＿＿
＿＿＿……信じます、サラさん＿＿＿
＿＿＿っ…いきたい…！＿＿＿
＿＿＿偽物……嘘、だ…全部嘘だ…！！＿＿＿
初めて会った時の警戒も。
死に怯えながらも知り合ったばかりの私達を巻き込まないようにしたことも。
生きるために勇気を振り絞ってくれたことも。
自分を好きだと言った幼い子供の代わりに、毒の犠牲になったことも。
突拍子のない私の話を信じてくれたことも。
未来への希望も。
現実への絶望も。
あれが全部嘘……？
「(そんなの…ありえない…！！)」
Aはずっと私達と一緒だった。
私達の仲間だった。
じゃあ一体、今のAは…？
誘拐犯の仲間などありえない、信じたくない。
けれども、目の前にいるAは今までの彼女とは別人に見える。
ぐるぐると同じような問いが永遠に繰り返されて、結局私は答えを出せず、黙り込むことしか出来なかった。
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ルイ(プロフ) - にしんさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！これからも楽しんでいただけると嬉しいです！！ (1月16日 8時) (
レス) id: bd10cc1afe (このIDを非表示/違反報告)
にしん - 主人公の心情がよく見えて、すごく面白かったです！ 更新頑張って下さい、これからも応援してます！ (1月15日 21時) (レス) @page19 id: 8474802cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年12月24日 18時
