52時間目 傷 ページ2
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片「ほんとに可愛いわあんた」
茅「うん！もう乙女だね！」
私は皆がニコニコしているのが意味不明で頭にハテナを浮かべた。
すると、女子部屋がコンコンとノックされた。
莉「ちゃんとノックするのって、磯貝か藤咲くらいじゃない？」
確かに、あとの男子は無言であけそう…。
メグが見に行った。
片「はーい…あ…A〜」
『私…？えっ、』
呼ばれたから行くと、そこにはなぎひこがいた。
ニコニコもせず、怒った顔もせず、真顔で。
な「ちょっとA借りるね」
『え？！』
片「どうぞどうぞ〜。またあとでね、A」
メグはそう言うと、部屋の中へと戻って行った。
な「さっき外見えるところあったから行こ？」
『あ、うん…』
それからなぎひこが止まるまでは、どちらも喋らず無言で歩いていた。
ん〜なんだろう、怒られる…？
私はビクビクしながらついて行くと、
な「はい」
なぎひこが突然止まった。
そこはほんとに空がよく見えるところだった。
『で、どしたの？』
な「…ごめんね、A」
何を言い出すのかと思ったら、いきなり謝ってきた。
何か謝られるようなことしたっけ？！
『何で…？』
な「Aの班が不良に絡まれたって聞いたから。僕が同じ班だったらすぐ助けに行けたかもしれないのに。無理やり別の班にしちゃって…」
『え？そんな大丈夫だよ！傷も大したことないし…いっ、』
私が言い終わる前に、なぎひこは私の腕の傷に軽く触れた。
な「これで？」
『…こめんなさい』
こんなちょっと触れただけでも痛むとは自分でも思ってなかった。
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作者名：柚 | 作成日時：2020年3月27日 16時
