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13 身勝手. ページ14

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"今日も一日、疲れたーーー、"



気怠い足取りでアパートの階段を上り、2階に着いたところで、
私の部屋の前に人影があることに気がついた。



しゃがみ込んでいるその人の正体は、



.......瑞稀、?




自分に都合のいい夢でも見てるのかと思って頬を抓ってみても、やっぱり痛くて。

どうやら夢ではないということに気がついて、
慌てて階段に後戻りをした。





多分、私が今帰ってきたことに
彼は気づいていないと思う。








もう一度、会いたくて会いたくて仕方なかった。






これが、ずっと押し殺してきた"本当の気持ち"
なのは間違いない。






"だけど、どうしているの?"





"今更、何をしに来たっていうの?"





"もしかして、きっぱりと目の前で
別れを告げられるんじゃないか.....、"







混乱した頭には、冷静になる時間が必要だった。



家に一度帰って荷物を置いてから出かけようとしていたスーパーに、このまま行ってしまうことにした。

こんなの、瑞稀のことを一旦忘れたくて、
気を紛らわそうとしているだけでしかないけれど。















一通り買い物を済ませて、
スーパーの端にある休憩所に腰を下ろした。




こんな時に頼れるのは、やっぱり私と瑞稀のことをよく知っている涼くんしかいない、。

そう思って、涼くんに電話を掛けてみることにした。



「もしもし、Aです、」

『Aちゃん、どーしたの?』

「長くなるんだけど、いい?」

『うん、大丈夫だよ。』



私の声色できっと"瑞稀のこと"だと感じ取ってくれたんだなと思った。
いつもいつも迷惑ばかり掛けているのに優してしてくれる涼くんには、本当に頭が上がらない。



「実は、さっき家に帰ろうと思ったら、部屋の前に瑞稀がいて........
どうしたらいいのか分からなくて、そのまま気づかなかったことにして、外に出てきたの、」

「........何しに、来たのかな、」

「、どうして、今なんだろう、」

「私、もう瑞稀のこと、
綺麗な思い出としてやっと終わらせられたのに.......」




『そうだよなぁ瑞稀も勝手だよなぁ、。』





『でも、瑞稀もたくさん考えて
Aちゃんのとこに来たと思うんだ。』

『1度だけ、話だけでも、
聞いてやってくれないかな、』




「.........分かった。」








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作者名:べりこちゃん | 作成日時:2020年5月20日 17時

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