8話 ページ10
しのぶside
今日はAの誕生日です。
グループのメンバーやマネージャーたちも、もうプレゼントは決めてあるらしい。
そんなことをぼんやり考えていると収録が終わった。
『A、この後予定ありますか？』
A「しのぶー、聞いてよーっ、今日は私の誕生日だっていうのに、誰もお祝いしてくれないの〜」
『それじゃあ、メンバーでお泊まり会しませんか？老舗旅館ですよ。』
A「いいのー？ありがとう‼しのぶ大好きっ！」
『持ってきて欲しいのはLINEで送りましたから、30分後に迎えにきますね。』
A「うん、わかった！」
Aside
メンバーでお泊まりは久しぶりなので楽しみなのだが、持ってくるものが
・下着類
・明日の着替え
・ヘアゴム
だけなんだけど、ちなみパジャマがないのはみんなでお揃いにしたいからと言われた。
えっ、だから30分後なのね
理解、理解。
しのぶside
今日の予定はざっとこんな感じです↓
温泉に行く
部屋に戻らせる
↓メンバーやマネージャーたちがいる
誕生日パーティースタート
さあ、どれだけAは本音をこぼしてくれますかね。
前世からいろんな肩書きに悩まされる貴方が少しずつ誰かを頼って、たくさんの人に支えられるように。
実弥side
あいつは前世からよく頑張ってきた。
でもあいつだけ前世の記憶がないんだ。そりゃ、家族が死んで、妹は鬼になって、自分は弟を庇って死んだ記憶なんてない方が生きやすいだろう。
それでも思い出して欲しかった。
俺と一緒に暮らして、愛し合った日々を。鬼のことなんて忘れて楽しめた唯一の日常を。
そして今世でも、いや今世こそ幸せにさせたかった。
そんなことを胡蝶に相談した。
そしたら胡蝶は
「憶測ですが、Aはもともと消化器官に異常があったらしいです。今世はどうかわかりませんが、もしその異常が脳の一部、前世に関係していたら…。Aだけ前世の記憶がないことに辻褄が合います。」
ってな、それから
「貴方は前世と今世のA、どっちが好きなんですか？A、言ってましたよ、昔、�牘扮鵑琉Δ覆鵑突廚蕕覆い�ら今の自分を好いてくれる人がいい。それに実弥さんは今の私を好きになってくれたから、昔の自分でも未来の自分でも勝ち目はない�瓩辰討諭�
と言った。
確かに好きになるきっかけは前世の記憶かもしれない。でも確かに俺はあいつが、Aが言葉じゃ表せない程好きなんだ。
だから思い出してくれよ
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作者名：流果 | 作成日時：2021年2月14日 20時
