〜永遠の零〜

Ø，プロローグ ページ1

ーポロッー

ある日一粒の雫がこぼれ落ちた

娘「お母さん、どうして泣いてるの？」

貴「えっ…」

娘は心配そうにこちらを見ていた

しかし、その瞳には感情が無かった

そう…雫がこぼれ落ちたのではなく、涙がこぼれ落ちたのである

どうして涙が出て来たのか全く分からない

元々生まれ育った世界には喜怒哀楽と言う物が存在しない

なら…どうして…？

ー名前ー

貴「っ！」

何処からともなく私を呼ぶ声が聞こえてきた

そう言えば今の声…何処で…

まさか…土蜘蛛…なの？

透き通った声

一度たりとも忘れた事が無い

だったら教えて

貴方は今…【幸せ】ですか？

私は…

素敵な夫にも出会い可愛い娘も出来てとても幸せです

…あれっ？

幸せな筈なのに笑顔になった事が一度も無い

どうして…？

貴方の側にいた時は毎日笑っていた

とても幸せだった

笑いたくても泣きたくても怒りたくてもこの世界の掟(ｵｷﾃ)には叶わない

只々複雑な顔をするしかなかった

サアア…

突如、冷たい風が吹いてき髪を靡(ﾅﾋﾞ)かせた

まるで貴方が私の頭を優しく撫でてくれたかのように…

土蜘蛛…

貴方を置いて元の世界に帰った事…

どうか許して下さい…

１，夢主と土蜘蛛の設定→

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