【刀剣乱舞】けっこう、笑って生きていきます【ブラック本丸】 (ページ10)

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8-1 ひぃ、ぃ？イケ、メン？ページ10

「おねえちゃん、あさだよ。おねえちゃん」

『ん、』

しおりが体を揺すっている。あの小さな体にそんな力があったとは。

寝ぼけ眼で起き上がり、Aは手を伸ばすしおりを抱き上げる。

「おはよう、おねえちゃん」

『うん。おはよう』

チャイムが鳴った。

今は朝の6時半。月曜だ。

ずいぶん早いな。おじさんか？

近所の優しくて親切な人を期待し、扉を開けた。

「ぉはよざいます。早朝スミマセン」

郵便だった。少し片言の浅黒い肌の外国人が封筒を持っている。

「なつメAさんデスか？」

『はい』

「ア、じャあ、これ、おねがいシマす」

『ポストありますよね？なんで手渡しなんですか？』

「エと、そう、イワれました」

『そうなんですか。ありがとうございます』

「イえ」

ぺこりと軽く頭を下げあい、扉を閉める。

きつい言い方しちゃったかな…。

少し、後悔する。

「あら、なに、それ。見てみたいだわね」

『ナナ。おはよう』

「ええ。おはよう」

どこからともなくやってきたナナ。

Aは、とりあえず、言い方については考えないことにした。

ふんふんと封筒の匂いをかぎ、露骨にナナは、顔を歪ませた。

「政府からの手紙だわね。A、なにかしたの？」

『いやぁ？特には…』

封筒を開くと、三つ折りの紙が5、6枚入っている。

「なんてかいてあるの？」

足元のしおりがつま先立ちをして、覗きたがっている。

『とりあえず座ろう』

リビングの椅子にAとしおりが座り、テーブルの上にナナが飛び乗った。

『えっと？
［夏目Aさま。審神者就任試験おめでとうございます。］
ん？私、そんなの受けてない』

「A！ A！電話！」

八朔がスマホを頭に乗せてやってきた。落とさなかっただろうか。

『ありがとう。もしもし？』

「Aか⁉ やったな！審神者就任試験合格したんだろ⁉」

『いや、でも、そんなの受けてないんですよ』

「よかったなあ！いや～ほんとに…」

あっだめだ聞いてない。

親戚だった。よく、可愛がってくれて、物とかも買ってくれることもあった。

よほど嬉しいのだろう。Aの話が聞こえていないようだった。

「あっ悪い。もう切るな。」

『いえ。失礼します』

やっと切れた…。

一安心した矢先、またスマホが震えた。

『…。もしもし』

Aはためいきをついた。